「これは戦争だ」。フランスのマクロン大統領は新型コロナウイルス感染症との闘いを「戦争」に見立て国民に協力を呼びかけた。
ドイツのメルケル首相は「第2次世界大戦以来最大の危機」と表現した。日本でも日に日に感染者が増加、死者も増えている。
コメディアンの志村けんさんが闘いに敗れ、オムロンの立石義雄元社長があっけなくこの世を去った。
さらに驚いたのは女優の岡江久美子さんが新型コロナで命を落としたことだ。まだ63歳の若さ。
こうした訃報に触れるにつけ、つくづく私たちはとんでもない「戦争」に巻き込まれている、という思いを強くする。
最前線は医療の現場だ。戦場さながらの緊張感と恐怖に直面しながら日々戦っている彼ら、彼女らに心から敬意を表し、心から応援したい。
マスクやガウンといった感染症と戦う「武器」がままならないまま、命を救うためにウイルスと苦闘する姿を思うと胸が痛む。
しかし、医療関係者でもなんでもない大多数の人たちは、ともに現場で戦うことはできない。できることは後方支援だ。
それは何か。自ら「竹槍」で戦うことだ。
太平洋戦争に出征した夫や父の帰りを待つ女性や子どもたちは、いざというときに敵を倒すため竹槍訓練を受けた。
落下物から身を守るため、手作りで布製の「防空頭巾」をかぶった姿も、なんとも心もとない。戦火の前では、竹槍も防空頭巾も無力だった。
しかし、今度の「戦争」は違う。竹槍と防空頭巾で十分に戦える。手洗いとマスク、消毒液、そして接触の回避だ。
手洗いは誰にでもできる。ウイルス付着が疑われるものを触ったら、こまめに手を洗えばいい。接触回避はもっと簡単だ。
家にいればいい。何もしなくていい。マスクはまだ入手困難だが、じきに「アベノマスク」が届く。手作りも可能だ。
防空頭巾のように心もとないのは確かだが、効果はゼロではない。
消毒液も品薄だが、手指の消毒はアルコール度数が高い酒でも代用できる。
塩素系漂白剤を0.05%に薄めれば、手指には使えないが、ドアノブなどの消毒には有効だ。
十分ではないが、戦える。最前線で戦う医療従事者を支え自分の身を守るのは、私たちの竹槍戦だ。
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