ある種のイカは、細胞核の外でメッセンジャーRNAを編集する能力をもつことがわかった。RNA編集はDNA編集よりも簡便で安全性が高いとされることから、この発見はヒトの疾患の遺伝子治療を進展させるきっかけになるかもしれない。
遺伝子編集技術によってDNAの遺伝暗号を改変することで、ヒトの遺伝性疾患の治療を目指す研究が進んでいる。地球上のほぼすべての動物において、DNAに加えられた変化は細胞核の中からメッセンジャーRNA(伝令RNA)を介して細胞質に持ち出され、そこでたんぱく質へと翻訳される。
しかし、ヒトよりずっと前から遺伝暗号を編集する方法を知っている“動物”が、少なくとも1種いる。釣りのエサに使われ、大型の海生生物の餌食になる軟体動物・イカの一種だ。その遺伝暗号の編集方法は、遺伝子編集をベースにした薬剤や治療法を開発する研究者たちにとって、ヒントになるかもしれない。
◯桁違いのRNA編集能力をもつ生物
マサチューセッツ州ウッズホールにある海洋生物学研究所などの研究グループは、アメリカケンサキイカ(Doryteuthis pealeii)が細胞核の外でメッセンジャーRNAを編集する能力をもつと報告する論文を、学術誌『Nucleic Acids Research』に2020年3月24日付けで掲載した。動物としては初めての発見だ。
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https://wired.jp/2020/04/30/squids-gene-editing-superpowers-may-unlock-human-cures/