厚生労働省は27日、新型コロナウイルスをPCR検査より短時間で検出できる抗原検査用のキットについて、国内メーカー1社から薬事承認に向けた申請があったと明らかにした。厚労省の担当者は「性能評価を急ぐ」としている。
承認申請をしたのは「富士レビオ」(東京・新宿)で、自治体からPCR検査を請け負っているみらかホールディングスの傘下企業。
抗原検査は簡易検査の一種で、同ウイルス特有のタンパク質と反応する試薬を使い、ウイルスの有無を調べる。インフルエンザなどの診断と同様、鼻の奥の粘液などを綿棒で採取して検査する。
現在主に使われるPCR検査が結果の判明までに数時間かかるのに対し、抗原検査はその場で数十分ほどで結果がわかる。このため普及が期待されるが、精度が低いという課題も指摘されている。
抗体検査でも同様に短時間で検査できるが、発症直後は抗体の量が少ない。厚労省の担当者は「診断に使うことは現段階で考えていない」という。
日本経済新聞 2020年4月27日 21:40
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