![【宇宙】自転の60倍の速さで金星を周回する風「スーパーローテーション」のメカニズムをJAXA「あかつき」が解明 [富豪立て子★]->画像>5枚](https://nazology.net/wp-content/uploads/2020/04/509fcdbf6d40b9db7803e9cfe1aafd4a-768x486.png)
公転周期が地球時間で225日ということを考えると、一年より一日の方が長いというすごい星です。(ただ自転方向が公転方向と逆なので、実質金星の一日は地球時間で117日です)
そんな金星には、とてつもない突風が吹き荒れ、惑星を周回しています。この風はスーパーローテーションと呼ばれていて自転速度の60倍という速度で吹いていて、地球時間で4日間で金星を一周します。
この猛烈な風は1960年代の調査で発見されたものですが、発見当初は惑星を4日で一周する風なんてありえないと無視されていました。
そのためこのすさまじい速度の風が、一体どの様に発生して、その速度を維持し続けているかは、これまでずっと謎となっていました。
謎の多い金星の気象を調査するJAXAの金星探査機「あかつき」は、このスーパーローテーションがいかにして維持されるかを明らかにしたのです。
金星探査機「あかつき」
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「あかつき」は、紫外線や赤外線観測で、金星の雲の写真をとり続けています。
最初「あかつき」は金星の周回軌道に乗ることに失敗してしまい、5年も太陽の近くを漂流していました。
観測装置の故障なども心配されていましたが、なんとか金星周回軌道に乗ることに成功して以降は、高品質な観測データを取得し続けています。
金星のスーパーローテーションについて調べるには、非常に高い精度の観測が求められていて、これまで世界の誰も成し遂げることができませんでした。
あかつきは金星の雲を詳細に撮影することで、様々なポイント風の微細構造を調べることに成功し、スーパーローテーションに対する乱流の効果なども推定することが可能となりました。
自転を超えて吹き続ける風「スーパーローテーション」
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金星と地球では大気循環が大きく異なっています。
金星で起こるスーパーローテーションは自転と同じ方向の西向きの風で、高度が上がるほど強くなります。高度約50〜70kmの雲層上端がもっとも強く、ここでは約秒速100mという突風が吹いています。
これは金星の自転の60倍という速度です。
またこの風は赤道付近でもっとも強くなります。金星の自転軸はほぼ正立の状態のため、季節がありません。そのため太陽光の加熱は赤道で最大となり、極で最小の状態になります。
けれど、金星の極はそれほど寒くはありません。これは南北に熱を循環させる大気の流れがあるためだと考えられています。
これまでは、こうして起きる乱流がスーパーローテーションを加速させていると考えられていました。
しかし、今回の研究は、むしろこれらの乱流はスーパーローテーションを減速させる作用を働かせていることが明らかになったのです。
では、なにがそんな凄まじい大気の流れを生んでいるのでしょう?
それが、非常に長い金星の昼と夜によって生じる惑星の寒暖差です。こうした寒暖差は地球でも存在し、昼の熱せられた大気が夜の冷却された大気へ流れ込む「熱潮汐波」を生み出しています。
潮汐とは海で起きる潮の満ち干のことで、地球ではこれは月の引力が引き起こしていますが、大気中では昼夜の寒暖差で潮の満ち干のようなことが起きるのです。
金星では、南北でゆっくりとした大気の循環があり、東西方向にはスーパーローテーションによる凄まじい大気循環が起こっています。そしてこの熱潮汐波を介した循環によって、太陽から受けた熱を効率よく惑星全体へ広く行き渡らせているのです。
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惑星はその星ごとに異なる角度の自転軸と自転速度をもっています。これは惑星全体の大気の循環に対して大きな影響をもたらすものです。
地球に置いても極端な温暖期には、ある程度のスーパーローテーションが起きていたという説があります。また、系外惑星などでは、金星と似たような非常にゆっくりとした自転をして、星の反面を長時間恒星に向けているものもあります。
続きはソースで
https://nazology.net/archives/57881