福岡市南区のうなぎ店で元従業員の男が女児2人を人質に立てこもり、監禁容疑などで現行犯逮捕された事件で、男と同居する60代の母親が事件前日の20日夜、福岡南署に「息子から金を無心され、暴力を振るわれた。身の危険を感じている」などと相談していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。署は、母親を安全な場所に避難させた。母親は少なくとも昨年から複数回、同様の相談をしていたという。
逮捕されたのは同区三宅2丁目、無職渡辺祐樹容疑者(35)。21日朝に同区大橋1丁目のうなぎ店に侵入して包丁2本を持ち出し、店主の6歳と3歳の子ども2人を人質に約6時間にわたり立てこもった疑いが持たれている。
母親は20日夜に署を訪れて「金の無心を断ると暴力を振るわれて困っている」などと説明した。署は、母親の安全確保のために避難する手配をした。署は「相談には適切に対応した。立てこもり事件とは関係ない」としている。
無心された総額は1千万円超
母親は22日、西日本新聞の取材に応じ、「20歳の頃から金を要求され、拒否するとかんしゃくを起こして暴力を振るわれた」などと話した。無心された総額は1千万円を超え、近くの交番や署に何度も相談したという。20日夜も暴力を振るわれたため、「お金を用意する」と渡辺容疑者にうそをついて外出し、署に向かった。その夜は、署が電話で手配した知人宅に身を寄せた。
母親によると、渡辺容疑者は店主と同級生。先週店を辞めたが、「自分は間違っていない」などと不満を漏らしていたという。事件について「幼い子どもたちに怖い思いをさせ、本当に申し訳ない」と語った。
4/22(水) 13:00配信
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