新型コロナの感染が東京、大阪などの首都圏で急速に蔓延している影響で、地方に一時避難する人たちも増えてきています。しかし地方と都会とでは何かと風習やしきたりにおいて違うものです。犯罪にもやはりその違いがみてとれます。
首都圏では、アポイント電話(アポ電)という詐欺を行うための下準備の電話をかけて資産を把握してから、家に押し入る「アポ電強盗」が多く発生しています。
令和元年を見ても、1月には渋谷区の初台で3人組が高齢夫婦の家に押し入って2千万円が奪い、翌月には同区にて別の高齢者家から400万円が強奪されています。さらに、12月には、埼玉県の高齢夫婦の家に男らが侵入して、470万円を取っています。いずれも、強盗の実行前に詐欺につながるアポ電がかかってきて、高額なお金を持っていることが把握されています。しかも、侵入した際に高齢者を縛り上げてお金のありかを聞き出したり、家のインターフォンを取り外すなどの証拠隠滅も図っており、かなりの用意周到さがそこにはあります。
それに対して、田舎で起こる強盗はなんとも突発的で不思議な感覚を抱きます。
今年3月、北海道で高齢夫婦の家にノコギリを持った男が押し入ってきました。これが都会ならナイフや包丁でしょうが、ノコギリをもってやってくるというところが、場当たり的です。都会ならできるだけ犯行時間を短くするために、強盗に入るとすぐに「金を出せ!」となりますが、この男は違いました。
「ごはんくれ!」だったそうです。
高齢夫婦がご飯とおかずを差し出すと、男はよほどお腹がすいていたのでしょう。がつがつと食べ始めます。そしてなんと「おかわり!!」をします。飲み食いして、やっと「金を出せ!」と言い出しました。そこで、高齢夫婦は2千円を差し出します。
これが都会ならば、金額の低さに「これっぽちか!ふざけているのか!」と激高するところでしょうが、この男はそのお金を握って逃げました。さらに驚くのは、男は帰り際にマスク10枚を置いていったのです。
ご飯やお金をくれたお礼のつもりなのでしょうか?あるいは、夫婦が高齢なので、新型コロナにかからないようにとの思いでしょうか。その辺りはわかりませんが、地方ならではの強盗事件であるといえるでしょう。ですが、相手に恐怖心を抱かせて金品を奪うということは、金額の大小に限らず、凶悪な犯行ですので、許されざるものです。
今、緊急事態宣言が全国に出されて、これまで以上に経済活動がストップして生活ができなくなり、お金に困る人も増えてきます。そうした人が、今回、起きたような場当たり的な犯行を様々な地域で行うことも充分に考えられます。
今年に入り、これまで首都圏で発生していたアポ電強盗においても、昨年のような用意周到さが見られなくなってきています。
今年2月に70代の高齢男性宅に押し入った事件では、男が刃物を持って強盗に入ったものの、同居していた息子らに抵抗されて何も取らずに逃げています。この前日には警察をかたりアポ電がかかっていますが、一人暮らしか否かの把握もろくにせず、しかも一人で押し入るなど、これまでにないような犯行でした。このところ、こうした計画性に欠けたアポ電強盗がみられます。
この背景には、新型コロナの蔓延の影響もあるかと思います。旅行などにもいかず、家にいる人たちが多いところに目をつけたアポ強盗を指示する側が、質より量とばかり、SNSなどで集めた実行犯らに数をあたって強盗をやらせていることが考えられます。ですので、今の社会状況では、場当たり的な犯行は、もはや地方で起こるだけのものといえません。
2020.04.18 全文はソース元で
https://www.daily.co.jp/society/life/2020/04/18/0013281028.shtml
首都圏では、アポイント電話(アポ電)という詐欺を行うための下準備の電話をかけて資産を把握してから、家に押し入る「アポ電強盗」が多く発生しています。
令和元年を見ても、1月には渋谷区の初台で3人組が高齢夫婦の家に押し入って2千万円が奪い、翌月には同区にて別の高齢者家から400万円が強奪されています。さらに、12月には、埼玉県の高齢夫婦の家に男らが侵入して、470万円を取っています。いずれも、強盗の実行前に詐欺につながるアポ電がかかってきて、高額なお金を持っていることが把握されています。しかも、侵入した際に高齢者を縛り上げてお金のありかを聞き出したり、家のインターフォンを取り外すなどの証拠隠滅も図っており、かなりの用意周到さがそこにはあります。
それに対して、田舎で起こる強盗はなんとも突発的で不思議な感覚を抱きます。
今年3月、北海道で高齢夫婦の家にノコギリを持った男が押し入ってきました。これが都会ならナイフや包丁でしょうが、ノコギリをもってやってくるというところが、場当たり的です。都会ならできるだけ犯行時間を短くするために、強盗に入るとすぐに「金を出せ!」となりますが、この男は違いました。
「ごはんくれ!」だったそうです。
高齢夫婦がご飯とおかずを差し出すと、男はよほどお腹がすいていたのでしょう。がつがつと食べ始めます。そしてなんと「おかわり!!」をします。飲み食いして、やっと「金を出せ!」と言い出しました。そこで、高齢夫婦は2千円を差し出します。
これが都会ならば、金額の低さに「これっぽちか!ふざけているのか!」と激高するところでしょうが、この男はそのお金を握って逃げました。さらに驚くのは、男は帰り際にマスク10枚を置いていったのです。
ご飯やお金をくれたお礼のつもりなのでしょうか?あるいは、夫婦が高齢なので、新型コロナにかからないようにとの思いでしょうか。その辺りはわかりませんが、地方ならではの強盗事件であるといえるでしょう。ですが、相手に恐怖心を抱かせて金品を奪うということは、金額の大小に限らず、凶悪な犯行ですので、許されざるものです。
今、緊急事態宣言が全国に出されて、これまで以上に経済活動がストップして生活ができなくなり、お金に困る人も増えてきます。そうした人が、今回、起きたような場当たり的な犯行を様々な地域で行うことも充分に考えられます。
今年に入り、これまで首都圏で発生していたアポ電強盗においても、昨年のような用意周到さが見られなくなってきています。
今年2月に70代の高齢男性宅に押し入った事件では、男が刃物を持って強盗に入ったものの、同居していた息子らに抵抗されて何も取らずに逃げています。この前日には警察をかたりアポ電がかかっていますが、一人暮らしか否かの把握もろくにせず、しかも一人で押し入るなど、これまでにないような犯行でした。このところ、こうした計画性に欠けたアポ電強盗がみられます。
この背景には、新型コロナの蔓延の影響もあるかと思います。旅行などにもいかず、家にいる人たちが多いところに目をつけたアポ強盗を指示する側が、質より量とばかり、SNSなどで集めた実行犯らに数をあたって強盗をやらせていることが考えられます。ですので、今の社会状況では、場当たり的な犯行は、もはや地方で起こるだけのものといえません。
2020.04.18 全文はソース元で
https://www.daily.co.jp/society/life/2020/04/18/0013281028.shtml