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米、失業保険申請さらに524万件 4週で2200万件超す
2020年4月16日 21:35 (2020年4月16日 21:40 更新)
【ワシントン=河浪武史】米労働省が16日発表した失業保険の新規申請件数(季節調整済み)は、11日までの1週間で524万5千件となり、前週(661万件)に近い高水準だった。新型コロナウイルスの拡大で非常事態を宣言した3月中旬から、4週間で2200万件を突破した。米労働人口は1億6300万人だが、単純計算で8人に1人が職を離れたことになる。
失業保険の申請数は市場予測(500万件)並みだった。新型コロナが発生する前は1982年10月の69万件が最大だった。3月半ば時点の失業率は4.4%だったが、4月は一気に10%を超え、1948年の統計開始以来の最悪期(10.8%、1982年12月)も突破するとの見方が強まっている。
米政権は2兆ドルの経済対策を決め、雇用維持を条件に企業の給与支払いを肩代わりする異例の資金供給も打ち出したばかりだ。ただ、給与補填は8週間が上限で、早期再開が見通せない企業は人員削減を余儀なくされている。今回は失業給付を週600ドル加算する手厚い特例措置もあり、逆に一時離職を後押ししているとの指摘もある。
金融危機は08年秋に深刻になったが、当時は失業率が最悪期(09年10月、10.0%)に達するまで1年あった。経済活動が突如停止した今回は、雇用悪化のスピードが極めて速い。米経済は7〜9月期から回復軌道に戻るとの見方が強いが、失業者の職場復帰が遅れればV字型の景気回復は難しくなる。