朝日 バンコク=乗京真知 2020年4月7日 17時32分
https://www.asahi.com/articles/ASN475RT3N46UHBI025.html
パキスタン西部クエッタで4月6日、
新型コロナウイルスの感染者を治療する設備が足りないとして
抗議していた医師を拘束する警察=AP
パキスタン西部クエッタで4月6日、
新型コロナウイルスの感染者を治療する設備が足りないとして
抗議する医師ら=ロイター
パキスタン北西部スワビの公立病院で、
男性医師（右）が透明のポリ袋をかぶって治療する様子が
SNS上で拡散した=地元テレビ「GNN」提供
パキスタン西部クエッタで6日、
新型コロナウイルスの感染者を治療する装備が足りず
「危険にさらされている」と抗議した医師らを、
警察が一斉に逮捕した。
地元メディアが伝えた。
150人以上が拘束されたとの情報があるという。
同国では6日時点で感染者3500人超が確認されたが、
検査キットの不足で感染拡大の全容は分かっていない。
人工呼吸器や防護服のほかマスクや手袋も足りず、
ウイルスに感染する医療従事者が全土で続出し、
劣悪な環境が問題となっている。
地元テレビ局「ジオ」などによると、
州政府庁舎前で抗議していた医師や看護師らを
警察が違法集会の疑いで連行。
医師会が対抗措置として、
医療行為の中断を宣言する事態になった。
急増する患者の対応が滞る懸念が高まっている。
同国北西部スワビでは3月下旬、
公立病院の男性医師が物資の不足を訴えるため、
防護服の代わりに透明なポリ袋をかぶって治療にあたった。
その写真がSNS上で拡散。
州政府が男性医師への懲戒処分をちらつかせて脅すなどし、
国民の批判が殺到した。（バンコク=乗京真知）
