新型コロナウイルス感染拡大で国民に外出制限が課されている英国で、中部ダービーシャーの警察がドローンを使って外出中の住民の行動を撮影、「まるで監視国家」との批判が上がっている。英メディアが2日までに報じた。
ドローンは、国立公園内で犬を散歩させる人や、写真撮影する人を上空から追跡。「自宅から離れた国立公園に行くのは不要不急の外出」とのテロップを付け、外出自粛を呼び掛けている。
これにサンプション元最高裁判事はBBC放送で「自由に行動する権利を持つ人々の名誉を傷つける行為だ」と批判。警察関係者からも慎重な対応を警察側に求める声が出ている。
当初は比較的緩やかな対策を取っていたジョンソン英政権は3月23日、必要最低限の買い物や通院をなど除き、外出を控えるよう国民に要求。不必要な集まりに対しては警察に身柄拘束を認める緊急法も制定された。
政権の急な方針転換に、英紙ガーディアンは警察官が市民にどう対処すべきか混乱が生じているとの見方を伝えた。
https://www.sanspo.com/geino/news/20200402/sot20040218020018-n1.html