豪の地方紙60紙、印刷停止へ…新型コロナで広告激減
読売 2020/04/02 07:28
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200402-OYT1T50021/
【ジャカルタ=一言剛之】オーストラリアの大手メディアグループ
「ニューズ・コープ・オーストラリア」は3月31日、
傘下の地方紙60紙の印刷を4月9日から停止すると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大で広告が減り、大幅な減収となったためだ。
ウイルスの猛威は、
地域の身近なニュースを伝える地方紙の存続を脅かす事態も引き起こしている。
ニューズ・コープが印刷を停止するのは、
南部ニューサウスウェールズとビクトリア、サウスオーストラリア、
東部クイーンズランドの各州で発行する地方紙だ。
豪政府が感染の拡大防止策として3月23日から始めた外出制限措置後、
不動産や飲食などの広告が激減したという。
オンライン版の編集は続ける方針で、マイケル・ミラー会長は
「未曽有の状況下で雇用を守り、
地域にニュースを届けるためには費用削減が急務となっている」
とのコメントを出した。
ニューズ・コープとは別に、
ビクトリア州では今年創刊100年となるサンレイジア・デイリー紙も
3月28日で印刷をやめ、
オンライン版のみで報道している。
豪公共放送ABCによると、新型コロナウイルスの感染拡大後、
収入の7割を占める広告が得られなくなったという。
ロス・ラニオン社長は
「地方紙がなければ、地域コミュニティーが力を失ってしまう」とし、
状況の好転を待って印刷を再開させる考えを示している。
ABCは、昨年から続く全国的な干ばつと
森林火災の影響で豪州の新聞広告は減少傾向にあるとし、
「メディア市場は崩壊の危機に直面している」との報道関係者の声を伝えている。