https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200324-00010009-newsweek-int
<無症状だったとしてもウイルスを拡散する。若者の協力がなければパンデミックは終わらない>
新型コロナウイルスは、高齢者や基礎疾患を持つ人のほうが重症化するリスクが高いと言われている。
しかし、だからと言って、若者がこのウイルスに感染しないわけではない。
若くても感染して重症化する恐れはあり、米疾病予防管理センター(CDC)は、若年も無敵ではないと指摘する。
「高齢者が最も大きな影響を受けているが、若者が例外だというわけではない。入院を必要とする患者のうち、50歳未満の人の割合がかなり高いことを、
多数の国々のデータが示している」と、世界保健機関(WHO)事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェソスが記者声明でそう述べたと、
世界経済フォーラム公式サイトは紹介している。
「本日、私は若い人々にこう伝えたい。あなたがたは無敵ではない。このウイルスにかかれば、何週間も入院したり、死に至ったりする可能性さえある。
無症状であっても、あなたの行動や行き先が、ほかの人の生死を分けるかもしれない」とテドロスは述べた。
■知っておくべきポイントは以下のとおり
1.入院を必要とする患者のなかで、50歳未満の成人がかなりの割合を占めていることが明らかになっている。
2.アメリカで最初に新型コロナウイルスへの感染が確認され、入院が必要になった人のうち40%近くが20〜54歳だったと、ニュースメディアThe Vergeは
CDCのデータに言及して報じている。
3.重症化した50歳未満の成人に関するいくつかの情報と死亡者数が、ソーシャルメディアで広まっている。
たとえば、中国の武漢では29歳の医療従事者2名が重症化した。
4. WHO事務局長は若者たちに対して、新型コロナウイルスのパンデミックを軽視してはいけないと警告している。
5.新型コロナウイルスは若者でも発症するし、死に至ることもある。そのため、発症しやすい人たちと接するのを避けるとともに、自らが感染源になって
ウイルスを弱者に広げないことが求められる。
6.WHOは、欧米メディアで一般的になった社会的距離という表現を変更し、「物理的距離」を保ってウイルスの拡散を防ぐよう呼びかけている。
インターネットなどを通じて社会的なつながりは保ってほしいとして、WHOが3月21日に表現変更を発表したのも、物理的に他人との接触を断つことの重要性の現れだ。
7.新型コロナウイルスによって死に至るリスクが年齢とともに劇的に上昇するのは事実だが、それは、若者は重症化しないという意味ではないことをCDCのデータが示している。
8.糖尿病などの慢性疾患を持つ若者もいる。新型コロナウイルスからの回復はより困難になるだろう。
■若者の協力が不可欠だ
症状がいっさいなく、すこぶる健康だと思っている若者でも、パンデミックを真剣にとらえるべきだ。
無症状でウイルスを拡散する場合もあるからだ。
トランプ政権の新型コロナ対策を指揮する米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は次のように述べたと、The Vergeは伝える。
「『自分は若いし不死身だ』などと甘く考えてはならない。大切な人、特に高齢者や免疫が弱っている人を危険にさらしたくないはずだ。
若い人たちの協力がなければ、新型コロナウイルスを克服することはできない。お願いだから協力してほしい」