のんびり景色を眺めながらアイスクリームやお菓子を食べていると、突然カモメが飛来し、横から食べ物をかっさらって行くという事例は、イギリスの海の近くの街では決して珍しくないようだ。
今回、イギリスの研究チームが実験でカモメの行動を調査したところ、カモメは人間が手に触れた食べ物を特に好む傾向があることがわかった。人間の食べ物がおいしいことを知ってしまったのだ。
また、このカモメの学習行為が都市環境での生存力に強く繋がっていることも示唆されている。
カモメは人間が手に触れる食べ物に強い興味を示す
デヴォン州エクセター大学生態保護センターの研究チームは、イギリス南西部に生息するセグロカモメ(ニシンカモメ)が、人間との相互作用にどのように関わっているのかを調べる実験を行った。
研究者のローラ・ケリー博士は、カモメとのアイコンタクトを避けるためにサングラスをかけた状態で、2つの方法でカモメの行動を実験した。
まず、バケツに入ったフラップジャック(オーツ麦とバター、砂糖とゴールデン・シロップで焼いたイギリスの伝統菓子)の欠片を複数地面に置き、その後バケツの中から取り出したフラップジャックの欠片を20秒間ほど手に持ったままにして、地面へと置いた。
どちらにどのぐらいの数のカモメが地面のフラップジャックを拾いに来るかを調べたところ、38羽のカモメのうちフラップジャックに食いついたのは24羽で、そのうちケリー博士が20秒ほど触っていたフラップジャックを好んで食べたのは19羽もいた。
つまり、カモメの79%は人間が手に触れた食べ物に強い興味を示すことが明らかになったのだ。
スポンジで同様に実験すると…
カモメは、人間が手に触れた食べ物が地面に落とされると、1分とかからずそこに近付き口にした。
では、食べ物ではない場合はどうなのか。ケリー博士は、今度はスポンジを同様の1口サイズにして実験を行った。
するとカモメは、フラップジャックの時と同様同じ数だけスポンジに近付いたが、つつくことはしなかった。
カモメは、物の区別をする前に物に近付き、より近い距離で物のタイプを区別しているようだ。
つまりこれは、カモメは食べ物云々に関わらず、人間が一旦触れた物を魅力的に感じて引きつけられる習性があるということを示唆している。
カモメは「人間が食べ物を口にする場所=餌の場所」と認識
この種の行動は、社会的学習の形を暗示しており、カモメは他の鳥からだけではなく人間の手がかりを持って、それに大きく依存していることを意味している。
この実験の主導者で動物学者のマデリーン・グーマス博士は、ケリー博士とあわせて次のように述べている。
今回の実験では、カモメが単に食べ物の光景に惹かれるのか、あるいは人々の行動がカモメの注意を食べ物に引きつけることができるのかを調べたかったのです。
その結果、人間からの手がかりがカモメにとって餌を見つける方法として重要な役割を果たしていることがわかりました。
カモメは、魚や無脊椎動物を餌としますが、埋め立て地からの家庭ゴミや人間の食べ物も食べます。それは、「人間が食べ物を口にしている場所=餌の場所」と学習・認識しているからです。
そのため、人間が手に触れた食べ物や落としたり捨てたりした食べ物に近付く可能性が高いのです。
カモメに餌を与えると、この関連性がより強化されてしまいます。今回の実験では、食べ物を正しく廃棄することの重要性も同様に示しています。
カモメの学習行動が都市環境での個体数増加に関連
グーマス博士の過去の研究では、カモメは間違いなく人間の手がかりを読み取り、アイコンタクトも可能であることが判明している。
同博士によると、犬のような飼いならされたペットの場合は、人間から同様のシグナルを受け取ることが過去の研究で明らかになっているが、カモメを含む野生生物においてはこれまで明確になっていなかったそうだ。
以下ソース先で
2020年03月22日
http://karapaia.com/archives/52289091.html
今回、イギリスの研究チームが実験でカモメの行動を調査したところ、カモメは人間が手に触れた食べ物を特に好む傾向があることがわかった。人間の食べ物がおいしいことを知ってしまったのだ。
また、このカモメの学習行為が都市環境での生存力に強く繋がっていることも示唆されている。
カモメは人間が手に触れる食べ物に強い興味を示す
デヴォン州エクセター大学生態保護センターの研究チームは、イギリス南西部に生息するセグロカモメ(ニシンカモメ)が、人間との相互作用にどのように関わっているのかを調べる実験を行った。
研究者のローラ・ケリー博士は、カモメとのアイコンタクトを避けるためにサングラスをかけた状態で、2つの方法でカモメの行動を実験した。
まず、バケツに入ったフラップジャック(オーツ麦とバター、砂糖とゴールデン・シロップで焼いたイギリスの伝統菓子)の欠片を複数地面に置き、その後バケツの中から取り出したフラップジャックの欠片を20秒間ほど手に持ったままにして、地面へと置いた。
どちらにどのぐらいの数のカモメが地面のフラップジャックを拾いに来るかを調べたところ、38羽のカモメのうちフラップジャックに食いついたのは24羽で、そのうちケリー博士が20秒ほど触っていたフラップジャックを好んで食べたのは19羽もいた。
つまり、カモメの79%は人間が手に触れた食べ物に強い興味を示すことが明らかになったのだ。
スポンジで同様に実験すると…
カモメは、人間が手に触れた食べ物が地面に落とされると、1分とかからずそこに近付き口にした。
では、食べ物ではない場合はどうなのか。ケリー博士は、今度はスポンジを同様の1口サイズにして実験を行った。
するとカモメは、フラップジャックの時と同様同じ数だけスポンジに近付いたが、つつくことはしなかった。
カモメは、物の区別をする前に物に近付き、より近い距離で物のタイプを区別しているようだ。
つまりこれは、カモメは食べ物云々に関わらず、人間が一旦触れた物を魅力的に感じて引きつけられる習性があるということを示唆している。
カモメは「人間が食べ物を口にする場所=餌の場所」と認識
この種の行動は、社会的学習の形を暗示しており、カモメは他の鳥からだけではなく人間の手がかりを持って、それに大きく依存していることを意味している。
この実験の主導者で動物学者のマデリーン・グーマス博士は、ケリー博士とあわせて次のように述べている。
今回の実験では、カモメが単に食べ物の光景に惹かれるのか、あるいは人々の行動がカモメの注意を食べ物に引きつけることができるのかを調べたかったのです。
その結果、人間からの手がかりがカモメにとって餌を見つける方法として重要な役割を果たしていることがわかりました。
カモメは、魚や無脊椎動物を餌としますが、埋め立て地からの家庭ゴミや人間の食べ物も食べます。それは、「人間が食べ物を口にしている場所=餌の場所」と学習・認識しているからです。
そのため、人間が手に触れた食べ物や落としたり捨てたりした食べ物に近付く可能性が高いのです。
カモメに餌を与えると、この関連性がより強化されてしまいます。今回の実験では、食べ物を正しく廃棄することの重要性も同様に示しています。
カモメの学習行動が都市環境での個体数増加に関連
グーマス博士の過去の研究では、カモメは間違いなく人間の手がかりを読み取り、アイコンタクトも可能であることが判明している。
同博士によると、犬のような飼いならされたペットの場合は、人間から同様のシグナルを受け取ることが過去の研究で明らかになっているが、カモメを含む野生生物においてはこれまで明確になっていなかったそうだ。
以下ソース先で
2020年03月22日
http://karapaia.com/archives/52289091.html