【香港=木原雄士】香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は21日に記者会見を開き、最速で4月20日に再開するとしていた幼稚園と小中高校の休校期間を無期限で延期すると発表した。新型コロナウイルスの感染が足元で再び急増しており、対策を強化する。3月末に予定していた大学入試を約1カ月延期するほか、公務員を再び在宅勤務とする。
香港の感染者は20日だけで48人増えた。感染拡大は抑え込みつつあったが、足元で欧米から戻ってきた留学生などの感染例が相次いでいる。林鄭氏は「海外からの感染者は扱いが難しく、香港内での感染拡大につながりやすい」と指摘。市民に他人との接触を減らし、外食を控えるよう呼びかけた。
1月末以降、すべての小中高校を休校としており、休校期間は異例の長期に及ぶ。再開時期は今後の感染状況を踏まえて決める。閉鎖後に再開していた体育館や図書館といった公共施設も再び閉鎖する。大学入試の延期は約5万人に影響が及ぶ。
最近の新規感染者の8〜9割は海外への渡航歴がある人かその濃厚接触者だ。林鄭氏は中国本土からの感染者流入と域内の感染拡大を経て「いま、我々は第3の波に直面している」と危機感をあらわにした。入境者のうち発熱などの症状がない人にもランダムに検査を実施する方針も示した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57076720R20C20A3000000/
2020/3/21 22:25