新型コロナウイルスの感染拡大による小中学校などの臨時休校の影響で、学校給食のパンと米飯を製造している全国の加工業者の損失が3月だけで約45億円に上るとの推計を、業界団体の全日本パン協同組合連合会(全パン連)がまとめた。全パン連は「地域の製パン業者は資金繰りに行き詰まり、倒産など死活問題に直面している」として支援を訴えている。
全パン連は都道府県の学校給食会から、パンの加工や炊飯を委託された小規模のパン販売店や炊飯業者を中心に組織している。全パン連によると、パンと米飯1食分を加工するのに人件費や光熱費など平均30・4円のコストがかかり、全国の学校で1日に出される給食は約995万食に上るため、臨時休校となった3週間分で損失が45億円に上るという。
政府は10日に発表した第2弾の緊急対策で、給食材料のキャンセル料などを補?(ほてん)するために182億円の予算を確保。学校給食会などを通じて今後、業者に支給する。全パン連の木元繁副会長は「どこまで損失を補?してくれるか分からず、製パン業者の不安は大きい」と話す。
https://mainichi.jp/articles/20200318/k00/00m/020/282000c