世界平和を祈る法要「比叡の大護摩」が13日、天台宗総本山の延暦寺(大津市)で営まれた。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、「事態の終息」を今年は新たに祈願した。
同寺西塔地区にある最澄像の前に設けた直径4メートル以上の護摩壇で、根本中堂の「不滅の法統」から分灯した火に、千日回峰行を達成した大阿闍梨(だいあじゃり)が護摩木を投じた。
森川宏映天台座主の名代として、大樹孝啓次座探題が読み上げた祭文では、テロや人種差別の根絶に加えて「新型コロナウイルスの事態終息」との内容が加えられた。小堀光實執行は「感染が拡大する異常な事態に心を寄せ、比叡の山から世界中の終息を祈りたい」とあいさつした。
同法要は、世界の宗教指導者が延暦寺に集まった「比叡山宗教サミット」の精神を受け継いで、1990年から毎年この日に営まれている。今年は感染防止のために参列者席の間隔を空けた。
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