https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56712970S0A310C2EA1000/
中国2月の新車販売79%減、新型コロナの影響大きく
2020年3月12日 17:20
【北京=多部田俊輔】中国汽車工業協会は12日、2月の新車販売台数が前年同月比79.1%減の31万台だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗の閉鎖や消費者の購買意欲の減退で、過去最大の減少幅となった。世界の自動車販売台数の3割を占める最大市場の落ち込みは自動車各社の戦略にも影響する。中国政府は販売補助金の支給など即座に景気対策を繰り出している。
新車販売台数が前年実績を下回るのは20カ月連続だ。昨年は2月上旬だった春節(旧正月)が今年は1月下旬となったため、通常であれば今年の2月は前年同期比ではより高い数字がでやすい状況だった。しかし新型コロナの拡大に伴い、中国政府が春節休暇の延長や消費者の外出を規制。閉鎖した店舗も多く、前年同月実績を下回り、過去最大の下落幅となった。
独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラル・モーターズ(GM)の主力合弁企業の2月の販売台数は前年同月より9割減ったほか、トヨタ自動車など日本勢も7割以上の大幅減となった。
19年の中国自動車販売台数は、米国の1.5倍、日本の5倍の規模だ。20年通年でも、世界最大市場の落ち込みは大手自動車メーカーの経営戦略への影響は避けられない見通しだ。
自動車産業は中国の国内総生産(GDP)の1割を占め、消費のけん引役でもある。中国政府も新車の販売てこ入れにすぐに動き出した。
トヨタやVWなどの工場のほか、部品メーカーが集積する広東省の広州市や仏山市の地元政府は、乗用車の買い替えに3千元(約4万5千円)の補助金支給などを決定。GMが生産拠点を持つ広西チワン族自治区や、中国民営最大手の浙江吉利控股集団の工場を抱える湖南省の一部都市も地元製の乗用車などへの買い替えに限り、補助金の支給を決めた。
工業情報化省は渋滞を緩和するためにナンバープレートの発給制限をしているが、これを緩和するよう地方政府に指示し車を取得しやすくしている。
習近平(シー・ジンピン)指導部はこれまで工場の稼働再開に注力し、経済対策は金融支援が中心だった。だが2月の景況感は製造業と非製造業ともに過去最低だった。消費刺激策だけでなく、次世代通信規格「5G」やデータセンターなどの新型インフラ建設を加速する方針も打ち出した。
中国2月の新車販売79%減、新型コロナの影響大きく
2020年3月12日 17:20
【北京=多部田俊輔】中国汽車工業協会は12日、2月の新車販売台数が前年同月比79.1%減の31万台だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗の閉鎖や消費者の購買意欲の減退で、過去最大の減少幅となった。世界の自動車販売台数の3割を占める最大市場の落ち込みは自動車各社の戦略にも影響する。中国政府は販売補助金の支給など即座に景気対策を繰り出している。
新車販売台数が前年実績を下回るのは20カ月連続だ。昨年は2月上旬だった春節(旧正月)が今年は1月下旬となったため、通常であれば今年の2月は前年同期比ではより高い数字がでやすい状況だった。しかし新型コロナの拡大に伴い、中国政府が春節休暇の延長や消費者の外出を規制。閉鎖した店舗も多く、前年同月実績を下回り、過去最大の下落幅となった。
独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラル・モーターズ(GM)の主力合弁企業の2月の販売台数は前年同月より9割減ったほか、トヨタ自動車など日本勢も7割以上の大幅減となった。
19年の中国自動車販売台数は、米国の1.5倍、日本の5倍の規模だ。20年通年でも、世界最大市場の落ち込みは大手自動車メーカーの経営戦略への影響は避けられない見通しだ。
自動車産業は中国の国内総生産(GDP)の1割を占め、消費のけん引役でもある。中国政府も新車の販売てこ入れにすぐに動き出した。
トヨタやVWなどの工場のほか、部品メーカーが集積する広東省の広州市や仏山市の地元政府は、乗用車の買い替えに3千元(約4万5千円)の補助金支給などを決定。GMが生産拠点を持つ広西チワン族自治区や、中国民営最大手の浙江吉利控股集団の工場を抱える湖南省の一部都市も地元製の乗用車などへの買い替えに限り、補助金の支給を決めた。
工業情報化省は渋滞を緩和するためにナンバープレートの発給制限をしているが、これを緩和するよう地方政府に指示し車を取得しやすくしている。
習近平(シー・ジンピン)指導部はこれまで工場の稼働再開に注力し、経済対策は金融支援が中心だった。だが2月の景況感は製造業と非製造業ともに過去最低だった。消費刺激策だけでなく、次世代通信規格「5G」やデータセンターなどの新型インフラ建設を加速する方針も打ち出した。