2020年3月10日 10:00福島民友新聞
新型コロナウイルス感染症の拡大による休校措置を受け、貧困家庭や共働き家庭の子どもたちに食事を提供する県内の「子ども食堂」は需要が高まる中、活動の拡充や継続に向けて試行錯誤が続いている。休校で新規利用が増加し、受け入れを拡大する団体がある一方、感染予防のため人が集まる場所での食事提供を休止し、弁当の配布に切り替える団体も出てきた。
福島市の「子どもカフェたまご」は集会所で毎月1回の開催を休止したが、週1回の頻度で市販の弁当を配布することを決めた。休校後の新規申し込みが3分の1を占めたという。代表の斎藤真智子さん(43)は「共働きの保護者や留守番をする子どもたちの役に立ちたい」と話す。頻度を増やしたのは、活動の重要さを認識しているからだ。
同市の吉井田学習センターで食事を提供する「よしいだキッチン」を開くNPO法人ビーンズふくしまは、医療従事者を配置した上で開催する。夕食の提供はやめ、子どもたちにパンを配るという。同法人の江藤大裕さん(43)は「地域の皆さんから後押しを受け、開催を決めた。こういう状況だからこそ、子どものために活動したい」と決意を新たにしている。
いわき市でNPO法人共創のまちサポートが運営する「コミュニティ食堂」は月2回、土曜日に開くランチは休むが、平日に週2回の頻度で提供している朝食は「一日のスタートで重要」として実施する。
休止する子ども食堂もある中、会津若松市で活動する「OHANA食堂」は毎月1回の活動を毎週1回に拡大した。スタッフで話し合い、縮小ではなく拡大を決めた。毎週木曜日に昼食を無料提供し、持ち帰り希望の人には弁当を手渡す。
運営するNPO法人母と子の生命をつなぐオーバージーン理事長の板倉未来さん(45)は「さまざまな事情を抱える子どもがいる。休校が負担にならないようお手伝いしたい」と思いを強くしている。
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