ジョーメンタムに意気上がるバイデン候補(写真:REUTERS/Kyle Grillot)
大統領選挙における民主党の候補者選びはスーパーチューズデーで1つの山を越えた。アイオワ、ニューハンプシャーなどの滑り出しで完敗し、ダメかと思われたジョー・バイデン候補がその後、サウスカロライナに加え、スーパーチューズデーの10州で勝利し、勢いに乗った。同氏の選挙陣営はこれを「ジョーメンタム(Joementum:ジョー・バイデンとモメンタム(勢い)を合わせた造語)」と称している。
※省略
ブルッキングス研究所上席研究員エレイン・ケイマーク氏が語るように「ひとつの予備選での勝利は、次に続く予備選で勝利する可能性を大幅に高める」。2月29日のサウスカロライナ州予備選での圧勝が3月3日のスーパーチューズデーでの勝利につながり、残りの州でもバイデンは勝利を重ねていく好循環が始まっているのかもしれない。
■いずれも「多人種連合」の形成に成功した
バーニー・サンダース候補とバイデンは、いずれも民主党予備選を制することを可能とする党内の連合を形成した。ネバダ州党員集会以降、サンダースはヒスパニック系を中心とした「リベラル派多人種連合」を形成した。ヒスパニック系が多いカリフォルニア州での勝利などに、そうした連合の成果が見られた。
一方、バイデンもスーパーチューズデーで「穏健派多人種連合」を形成している。バイデンはヒスパニック系以外の幅広い人種からの支持という点で、サンダースより優勢であった。サウスカロライナで黒人層に強いことが証明されたため、スーパーチューズデー前には黒人の多いアラバマ、ノースカロライナ、テネシーなど南東部を中心とする州でのバイデンの勝利は予想されていた。だが、実際には白人の多いマサチューセッツやミネソタなどの州でも勝利を重ね、バイデンの「穏健派多人種連合」は黒人に限らず多人種に広がっていることが判明した。
ヒラリー・クリントン候補がトランプ大統領に負けた2016年11月大統領選以降、民主党有権者はトランプ大統領に勝てる大統領候補をひたすら探してきた。2019年の出馬表明以降、バイデンはその知名度と人柄などから高い支持率を維持してきた。だが、その後、ピート・ブティジェッジ、マイケル・ブルームバーグ、エイミー・クロブシャーなど他の穏健派候補に民主党穏健派は心を惹かれたようだ。
とはいえ、スーパーチューズデー前には再びバイデン支持に舵を切った。この状況について、ある専門家は、「バイデンが勝てるかどうか不安で彼らはしばらく浮気をしていたが、ようやく本命のバイデンに戻ってきた」と揶揄している。
しかし、バイデンは欠陥も多い候補である。同氏は演説などで失言や間違った発言をして、その後訂正するケースなどが散見される。サウスカロライナ州予備選以降、バイデンは勝利を重ねているものの、本人のこのような欠点は変わらない。またウクライナ疑惑をめぐる息子ハンター・バイデンの件が再浮上する可能性さえある。
スーパーチューズデー翌日の3月4日、上院国土安全保障・政府活動委員会のロン・ジョンソン委員長(共和党)はハンター・バイデンとウクライナの大手ガス会社ブリスマとの関係についての中間報告書を1〜2カ月以内に公表することを明らかにし、バイデンを牽制した。本当にバイデンが「本選で勝利できる候補」かどうか、再び民主党支持者の間で懸念が高まるリスクは消えていない。
■3月後半、4月の予備選ではバイデン優勢の予想
一方、サンダースにも弱点はある。スーパーチューズデー以降、バイデンは本選を見据え、党内団結を呼びかけているが、サンダースはいまだにエスタブリッシュメントの攻撃に焦点をあてている。この戦略を引き続き推し進めると、もともとの支持基盤を固めることはできても、穏健派が急進左派よりも多い民主党でバイデンに勝てるだけの支持を拡大することには限界があるように思える。今後、サンダースが支持基盤拡大へ向けてどのように動くかが注目される。
※省略
とはいえ、前述のような欠点があり、テレビ討論会などで戦況が変わることもあり得る。直近では3月15日にテレビ討論会が行われ、「バイデンvs.サンダース」の直接対決が繰り広げられる予定で、直後の17日開催の予備選の行方に影響することは間違いない。サウスカロライナ予備選でのバイデン勝利からスーパーチューズデーまでの3日間で民主党穏健派がバイデンのもとに団結して、予備選の戦況が激変したように、今後も何が起こるかはわからない。(続きはソース)
3/8(日) 5:50配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200308-00335258-toyo-bus_all
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大統領選挙における民主党の候補者選びはスーパーチューズデーで1つの山を越えた。アイオワ、ニューハンプシャーなどの滑り出しで完敗し、ダメかと思われたジョー・バイデン候補がその後、サウスカロライナに加え、スーパーチューズデーの10州で勝利し、勢いに乗った。同氏の選挙陣営はこれを「ジョーメンタム(Joementum:ジョー・バイデンとモメンタム(勢い)を合わせた造語)」と称している。
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ブルッキングス研究所上席研究員エレイン・ケイマーク氏が語るように「ひとつの予備選での勝利は、次に続く予備選で勝利する可能性を大幅に高める」。2月29日のサウスカロライナ州予備選での圧勝が3月3日のスーパーチューズデーでの勝利につながり、残りの州でもバイデンは勝利を重ねていく好循環が始まっているのかもしれない。
■いずれも「多人種連合」の形成に成功した
バーニー・サンダース候補とバイデンは、いずれも民主党予備選を制することを可能とする党内の連合を形成した。ネバダ州党員集会以降、サンダースはヒスパニック系を中心とした「リベラル派多人種連合」を形成した。ヒスパニック系が多いカリフォルニア州での勝利などに、そうした連合の成果が見られた。
一方、バイデンもスーパーチューズデーで「穏健派多人種連合」を形成している。バイデンはヒスパニック系以外の幅広い人種からの支持という点で、サンダースより優勢であった。サウスカロライナで黒人層に強いことが証明されたため、スーパーチューズデー前には黒人の多いアラバマ、ノースカロライナ、テネシーなど南東部を中心とする州でのバイデンの勝利は予想されていた。だが、実際には白人の多いマサチューセッツやミネソタなどの州でも勝利を重ね、バイデンの「穏健派多人種連合」は黒人に限らず多人種に広がっていることが判明した。
ヒラリー・クリントン候補がトランプ大統領に負けた2016年11月大統領選以降、民主党有権者はトランプ大統領に勝てる大統領候補をひたすら探してきた。2019年の出馬表明以降、バイデンはその知名度と人柄などから高い支持率を維持してきた。だが、その後、ピート・ブティジェッジ、マイケル・ブルームバーグ、エイミー・クロブシャーなど他の穏健派候補に民主党穏健派は心を惹かれたようだ。
とはいえ、スーパーチューズデー前には再びバイデン支持に舵を切った。この状況について、ある専門家は、「バイデンが勝てるかどうか不安で彼らはしばらく浮気をしていたが、ようやく本命のバイデンに戻ってきた」と揶揄している。
しかし、バイデンは欠陥も多い候補である。同氏は演説などで失言や間違った発言をして、その後訂正するケースなどが散見される。サウスカロライナ州予備選以降、バイデンは勝利を重ねているものの、本人のこのような欠点は変わらない。またウクライナ疑惑をめぐる息子ハンター・バイデンの件が再浮上する可能性さえある。
スーパーチューズデー翌日の3月4日、上院国土安全保障・政府活動委員会のロン・ジョンソン委員長(共和党)はハンター・バイデンとウクライナの大手ガス会社ブリスマとの関係についての中間報告書を1〜2カ月以内に公表することを明らかにし、バイデンを牽制した。本当にバイデンが「本選で勝利できる候補」かどうか、再び民主党支持者の間で懸念が高まるリスクは消えていない。
■3月後半、4月の予備選ではバイデン優勢の予想
一方、サンダースにも弱点はある。スーパーチューズデー以降、バイデンは本選を見据え、党内団結を呼びかけているが、サンダースはいまだにエスタブリッシュメントの攻撃に焦点をあてている。この戦略を引き続き推し進めると、もともとの支持基盤を固めることはできても、穏健派が急進左派よりも多い民主党でバイデンに勝てるだけの支持を拡大することには限界があるように思える。今後、サンダースが支持基盤拡大へ向けてどのように動くかが注目される。
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とはいえ、前述のような欠点があり、テレビ討論会などで戦況が変わることもあり得る。直近では3月15日にテレビ討論会が行われ、「バイデンvs.サンダース」の直接対決が繰り広げられる予定で、直後の17日開催の予備選の行方に影響することは間違いない。サウスカロライナ予備選でのバイデン勝利からスーパーチューズデーまでの3日間で民主党穏健派がバイデンのもとに団結して、予備選の戦況が激変したように、今後も何が起こるかはわからない。(続きはソース)
3/8(日) 5:50配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200308-00335258-toyo-bus_all