市は新年度、市中心部の富山城址公園をねぐらとするカラスを、カラスの鳴き声で捕獲する実験を始める。カラスが仲間に伝える「ここは危険」「こっちは安全」という意味の鳴き声が出る装置を使って捕獲用のおりに誘い込む。富山県内では初の試みとなる。
新年度当初予算案にカラスの鳴き声発生装置導入費165万円を盛り込んだ。
装置は約20年間にわたり、カラスを研究している宇都宮大の塚原直樹特任助教が代表を務める民間会社「クロウラボ」(宇都宮市)が開発した。近年では八戸市で成果を上げ、現在は福井県あわら市でも実証実験が行われている。
城址公園そばの建物の屋上2カ所に鳴き声発生装置を設置し、「ここは危険」という意味の鳴き声を流す。一方、城址公園内に設置されている捕獲用のおりにも装置を置き、「こっちは安全」「餌があるよ」といった鳴き声を流すことで、カラスを安心させ、おりにおびき寄せる。実験は6月ごろから夕暮れ時の1時間程度を予定する。
市内のカラス生息数は2012年度は7500羽だったが、市の対策により16年度は3330羽に減った。17年度は3611羽に増加に転じ、18年度は3070羽。捕獲数は16年度が607羽、17年度が2027羽、18年度が2330羽と増加し、今年度は1月末時点で2499羽と過去最多となっている。
市は昨年、カラスに餌やりを禁止する条例を県内で初めて施行。カラスに対し城址公園内での居座り禁止を呼び掛ける看板を設置した。
2020/02/22 01:26
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