北朝鮮や中国の違法操業などの影響で深刻な不漁となっているスルメイカについて、去年、能登半島沖の大和碓を回遊する群れが激減したことがわかりました。
これは能登町小木で開かれた漁業者との意見交換会で、国の研究機関、日本海区水産研究所の川端淳・資源管理部長が明らかにしました。
このなかで、日本海を回遊するスルメイカについて、過去40年にわたり主要ルートだった、能登半島沖の大和堆を通る群れが去年は激減し、ほとんどの群れが日本列島沿岸や朝鮮半島沿岸を回遊したと報告しました。
川端部長は「回遊ルートの異変はこれまでのところ去年だけなので、来シーズン以降は元に戻ることを期待したい」と話しました。
そして、この5年間、日本海のスルメイカは資源量の減少が続いている一方、中国や北朝鮮漁船の漁獲量がわからないため、資源量予測や管理が難しくなっていることが説明されました。
県内の日本海沖のスルメイカの水揚げ量は、3シーズン連続で過去最少を更新し、県漁協の中型イカ釣り漁船13隻のうち2隻が廃業を検討し、4隻が来シーズン前半北太平洋でのアカイカ漁を予定しています。
石川県の中型イカ釣り漁船の山下浩弥・船団長は「来シーズンはアカイカ漁を行うことになり、これまで育ててきた大和碓を捨てるようで悲しいです。新たに漁場を開拓する気持ちでアカイカ漁に臨みたい」と話していました。
02月17日 20時41分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20200217/3020003981.html