フィリピン政府は10日、香港とマカオを含む中国全土からの入国禁止措置に台湾も含むと航空会社などに通知した。フィリピン側は、中国が台湾を中国の領土とみなしていることを受けた措置だと説明している。台湾外交部(外務省)は11日、「台湾は断じて中国の一部ではなく、独自に防疫を行っている」と強く反発している。
フィリピンは2日から、過去14日間以内に中国に滞在歴がある外国人の入国を一部を除いて拒否している。
中国は台湾を不可分の領土とする「一つの中国」原則を主張している。
入国管理局のモレンテ局長は10日、「フィリピン司法省にも台湾が(禁止対象に)含まれると確認しており、すぐに適用される」と説明。発表前に台湾を出発した直行便に搭乗していた150人以上の台湾人らがマニラやセブ島などフィリピン各地の空港で足止めされた。
またフィリピンの航空各社は台湾便の運航を即座に停止。台湾の空港もフィリピン行きの便を取り消された人で混乱した。
台湾は中国人の入境を禁止するなど厳しい措置を取っており、新型肺炎の感染確認は今のところ18人にとどまる。台湾外交部の欧江安報道官は11日、「決定をただちに改めるようフィリピンに要求している」と述べた。
イタリアも1月31日に、世界保健機関(WHO)が台湾を中国の一部とみなしていることを理由に、台湾発着便の禁止を発表した。【ジャカルタ武内彩、台北・福岡静哉】
最終更新 2月11日 20時03分
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