JR東日本の深沢祐二社長は4日、都内で記者会見に臨んだ。深沢社長は台風19号に伴う北陸新幹線車両の浸水被害などで2020年3月期の連結業績予想を下方修正したことを受け、「一日も早く北陸新幹線を100%の運行に戻す。臨時列車を含めて100%にするということを鋭意進めたい」と強調した。
.
JR東は1月30日の決算発表で、20年3月期の連結純利益が従来の3010億円から2650億円に下振れするとの見通しを示した。台風19号で浸水した新幹線車両の廃車費用や被災した線路などの復旧費として約285億円の特別損失を計上したのが要因だ。
.
これに対し、深沢社長は北陸新幹線のダイヤを元に戻すとともに、台風で被害を受けた長野新幹線車両センター(長野市)の復旧に取り組む考えを示した。さらに将来に向け「激甚化する自然災害に対し、BCP(事業継続計画)を見直して具体的に対応していく」と述べた。
.
北陸新幹線は現在、25編成で運用している。車両センターの一部を復旧させることによって3月14日のダイヤ改正で26編成とし、定期列車を通常運行に戻すことが決まっている。
.
このほか、深沢社長は23年春の敦賀開業に向け「JR西日本と運行計画などを詰めているところだ。たくさんのお客さまが北陸新幹線に乗っていただけるようにしたい」と期待した。敦賀以西の延伸については「直接、情報を持っているわけではなく、時期的にも先になると言われているので推移を見守る」と話した。
.
深沢社長は新型コロナウイルス対策として、従業員にマスク着用と手洗いを徹底するよう求めるとともに、訪日外国人客向けの旅行センターや新幹線の乗り換え口などにアルコール消毒液を配置する方針を示した。
.
JR東は新型コロナウイルスの対策本部を設置しており、深沢社長は「情報が日々更新されている。それに基づいて対応していきたい」と述べた。現時点で訪日外国人向けの周遊切符のキャンセルで1千万円程度、グループのホテルのキャンセルで1億円程度の影響が出ているという。
2/5(水) 1:54配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200205-00824571-hokkoku-l17