ポスターについて、ネット上では「荒業」「いきなり社長システムやばい」などの声が上がっていますが、なぜ、「訳あり店舗」の運営者を募集しているのでしょうか。同社の広報担当者に聞きました。
経営感覚のある人を求めたい
Q.「いきなり経営者…」のポスターはいつから掲示しているのでしょうか。
担当者「2019年4月から、『いきなり!ステーキ』の一部直営店で掲示しています。なお、ポスターにある『社長システム』の基本契約を変更する計画があるため、ポスターの撤去を始めています」
Q.ポスターを掲示した狙いは。また、「訳あり店舗」とはどのような店なのでしょうか。「訳あり」ということでネット上では「いきなり地獄」「『いきなり倒産』する店ではないのか?」といった声も出ています。
担当者「訳あり店舗は売り上げが減少傾向にある店です。当社が大量出店してきた過程で“サラリーマン的”感覚を持つ店長が増え、当初想定していた『いきなり!ステーキ』の価値をお客さまに届けられない店舗が出てきました。
そこで、売り上げが減少傾向にあることを正直にお伝えした上で、経営感覚があり、当社社長の一瀬の経営哲学を共有していただける人に店舗運営を委託し、より充実した店舗づくりをしていただきたいと考えました」
Q.ポスターにある「開業資金300万円(保証金150万円含む)」「最低保証30万円」とはどういうことでしょうか。
担当者「開業資金300万円の内訳ですが、当社グループへの加盟金が150万円、保証金100万円、店舗で使う釣り銭50万円です。保証金と釣り銭の計150万円については、委託契約終了時に、店舗の水道光熱費、食材費など運営期間中の残存債権を引いた上で返金します。また、『最低保証30万円』とは、当社が店の運営をお任せする際の対価として契約期間中にお支払いするものです」
Q.ポスターが話題となったことで、募集状況などに変化はありましたか。
担当者「訳あり店舗の募集に関し、数件のお問い合わせを頂きました」
Q.この募集を「いきなり!ステーキ」全体の業績向上にどう結び付けようとしているのでしょうか。
担当者「先述したように、このポスターを掲示したのは、経営感覚のある人を募って不振店舗の運営をお任せし、より高いレベルの店舗運営を実現することで、最終的に多くのお客さまに喜んでいただきたいと考えたからです。なお、委託後に拡大した利益はそれぞれの店舗運営者に分配します。
募集に応じていただいた運営者は、不振店舗の売り上げを回復させることで大きなリターンを得ることができると考えております」
話題性やインパクト的には成功
「いきなり!ステーキ」の取り組みについて、飲食店コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。
Q.「いきなり!ステーキ」が訳あり店舗の運営者を募集しており、ネット上で話題となっています。このような形での募集は珍しいケースだと思いますが、どう捉えますか。
成田さん「『いきなり!ステーキ』は、コース料理のメインディッシュだったステーキを『メインディッシュのステーキをいきなりサクッと食べてから次の店へ』とする革新的なスタイルを提案するなど、話題性やインパクトを重視した戦略で業績を伸ばしてきました。今回、運営者を募集した店の業績回復の可否はともかく、話題性やインパクトでは成功ではないでしょうか」
Q.訳あり店舗は売り上げが減少傾向にある店を指すそうです。フランチャイズでこうした運営者を募集するのは問題ないのでしょうか。
成田さん「例えば、募集時に店舗の業績を改ざんしたり、『誰が経営してももうかる』などとあおったりするなどして、事前に聞かされていた店の状況と実際の契約内容が違ってくるようであれば問題だと思います。そうでなければ、特に問題はありません」
全文は下記で
https://news.livedoor.com/article/detail/17764652/
