菅官房長官の電撃辞任情報 辞任Xデーは2月説と6月説
2020.02.03 11:00 週刊ポスト
https://www.news-postseven.com/archives/20200203_1537699.html
「影の総理」と呼ばれる菅義偉・官房長官の電撃辞任情報が永田町に飛び交っている。辞任の“Xデー”については「2月説」と「6月説」がある。自民党中堅議員が語る。
「公選法違反容疑で検察の捜査を受けている河井案里・参院議員が起訴され、夫で菅側近の河井克行・前法相まで起訴される事態になれば、菅さんは責任を取って辞任するのではないか。早ければ2月にもその時が来ると囁かれている」
一方、菅氏の気質をよく知る官邸官僚の1人はこんな言い方をした。
「官房長官は天皇御即位に伴う式典委員会の副委員長です。責任感の強い菅さんがその役目を途中で投げ出すとは思えない。即位関連の国事行為は秋篠宮さまが皇嗣になられたと宣明する4月19日の立皇嗣の礼まで続くから、菅さんが進退を決断するとすれば、立皇嗣の礼を終えて国会を乗り切った後の6月の会期末がタイミングではないか」
菅氏は側近議員への捜査やIR汚職、桜を見る会問題などで連日、記者会見や国会で責め立てられ窮地に追い込まれている。とはいえ、本人は進退について一度も言及したことはない。それなのに、いつの間にか政界でも官界でも、菅氏が一連の不祥事の責任を負って辞任することが“既成事実化”し、その時期が注目されている。
そうした見方が強まるのは、菅氏の辞任情報が官邸内部から次々に発信されているからだ。きっかけは官邸の安倍側近の1人が親しい記者たちに漏らしたとされるこんな言葉だった。
「官房長官は『総理の女房役』と言われるが、安倍総理と菅さんはいまや“家庭内別居”の状態だ。今国会が終わる頃までに菅さんが官房長官を辞任する可能性は非常に高い」
安倍首相に近い筋から辞任情報が出れば、記者たちが「官房長官交代は総理の意向」と受け止めるのは当然だろう。
さらに通常国会召集日(1月20日)の前、安倍首相と盟友の麻生太郎副総理が極秘に会談したとの情報がある。首相動静に記録はないが、麻生氏が首相の私邸をお忍びで訪ね、サシで密談を交わすことは過去にもあった。ここでも菅氏の処遇が話し合われたとされる。別の官邸中枢筋の話。
「総理と麻生さんはポスト安倍の後継者問題や解散時期、今後の政治日程などについて突っ込んだ話をしている。2人の構想では東京五輪後の政権の枠組みに菅さんは入っていない」
菅氏が追い詰められ、「辞任」への外堀を埋められつつあるように見える。政治ジャーナリスト・藤本順一氏は背景をこう指摘する。
「安倍首相が菅さんについて『国家観がない』と言っているという情報まで出回っている。“総理の器ではない”というネガキャンでしょうが、そうした批判や辞任説が流されているのは、菅さんが総理への忠誠心を試されているとみていい。
森友学園問題で財務省の文書偽造が発覚したとき、財務大臣の麻生さんは辞任せずに汚れ役を引き受けて総理を守った。今その立場にあるのが菅官房長官です。桜を見る会問題は総理の疑惑だが、麻生さんや安倍周辺は辞任説で『麻生は森友で総理を守ったが、お前は辞任して逃げ出すのか』と菅さんの去就を見極めようとしている」
菅氏が辞任すれば一連の疑惑の責任を負わされたうえ、「総理を守らずに逃げた」とのレッテルを貼られる。“辞めるも地獄、残るも地獄”の立場に立たされているといえる。それは踏み絵というより、粛清の手法だ。
※週刊ポスト2020年2月14日号
2020.02.03 11:00 週刊ポスト
https://www.news-postseven.com/archives/20200203_1537699.html
「影の総理」と呼ばれる菅義偉・官房長官の電撃辞任情報が永田町に飛び交っている。辞任の“Xデー”については「2月説」と「6月説」がある。自民党中堅議員が語る。
「公選法違反容疑で検察の捜査を受けている河井案里・参院議員が起訴され、夫で菅側近の河井克行・前法相まで起訴される事態になれば、菅さんは責任を取って辞任するのではないか。早ければ2月にもその時が来ると囁かれている」
一方、菅氏の気質をよく知る官邸官僚の1人はこんな言い方をした。
「官房長官は天皇御即位に伴う式典委員会の副委員長です。責任感の強い菅さんがその役目を途中で投げ出すとは思えない。即位関連の国事行為は秋篠宮さまが皇嗣になられたと宣明する4月19日の立皇嗣の礼まで続くから、菅さんが進退を決断するとすれば、立皇嗣の礼を終えて国会を乗り切った後の6月の会期末がタイミングではないか」
菅氏は側近議員への捜査やIR汚職、桜を見る会問題などで連日、記者会見や国会で責め立てられ窮地に追い込まれている。とはいえ、本人は進退について一度も言及したことはない。それなのに、いつの間にか政界でも官界でも、菅氏が一連の不祥事の責任を負って辞任することが“既成事実化”し、その時期が注目されている。
そうした見方が強まるのは、菅氏の辞任情報が官邸内部から次々に発信されているからだ。きっかけは官邸の安倍側近の1人が親しい記者たちに漏らしたとされるこんな言葉だった。
「官房長官は『総理の女房役』と言われるが、安倍総理と菅さんはいまや“家庭内別居”の状態だ。今国会が終わる頃までに菅さんが官房長官を辞任する可能性は非常に高い」
安倍首相に近い筋から辞任情報が出れば、記者たちが「官房長官交代は総理の意向」と受け止めるのは当然だろう。
さらに通常国会召集日(1月20日)の前、安倍首相と盟友の麻生太郎副総理が極秘に会談したとの情報がある。首相動静に記録はないが、麻生氏が首相の私邸をお忍びで訪ね、サシで密談を交わすことは過去にもあった。ここでも菅氏の処遇が話し合われたとされる。別の官邸中枢筋の話。
「総理と麻生さんはポスト安倍の後継者問題や解散時期、今後の政治日程などについて突っ込んだ話をしている。2人の構想では東京五輪後の政権の枠組みに菅さんは入っていない」
菅氏が追い詰められ、「辞任」への外堀を埋められつつあるように見える。政治ジャーナリスト・藤本順一氏は背景をこう指摘する。
「安倍首相が菅さんについて『国家観がない』と言っているという情報まで出回っている。“総理の器ではない”というネガキャンでしょうが、そうした批判や辞任説が流されているのは、菅さんが総理への忠誠心を試されているとみていい。
森友学園問題で財務省の文書偽造が発覚したとき、財務大臣の麻生さんは辞任せずに汚れ役を引き受けて総理を守った。今その立場にあるのが菅官房長官です。桜を見る会問題は総理の疑惑だが、麻生さんや安倍周辺は辞任説で『麻生は森友で総理を守ったが、お前は辞任して逃げ出すのか』と菅さんの去就を見極めようとしている」
菅氏が辞任すれば一連の疑惑の責任を負わされたうえ、「総理を守らずに逃げた」とのレッテルを貼られる。“辞めるも地獄、残るも地獄”の立場に立たされているといえる。それは踏み絵というより、粛清の手法だ。
※週刊ポスト2020年2月14日号