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新型肺炎 ネットに虚偽情報 各国政府 神経とがらす
感染が拡大している新型のコロナウイルスについてインターネットにはSNSを中心にうその情報も出回っています。国内で感染者が確認されたシンガポールではフェイクニュースを禁じる法律が適用されるなど各国の政府はこうした情報の拡散に神経をとがらせています。
中国を中心に感染が拡大している新型のコロナウイルスは東南アジアでも感染が確認されていて、これまでにシンガポールでは5人、マレーシアでは4人がそれぞれ確認され、病院で隔離されて治療を受けています。
シンガポールではインターネットメディアが運営する掲示板サイトに、26日、「初めての死者」というタイトルで、「新型のウイルスによる肺炎で、治療を受けていた66歳の男性が死亡した」という内容が投稿されました。
これについてシンガポール政府は27日、「死者は確認されていない」として、去年成立したうその情報、フェイクニュースの拡散を禁じる法律を適用して掲示板の運営会社に誤った情報だと認めるよう命令しました。
シンガポールのイスワラン通信情報相は記者会見で、「うその情報は不安や混乱を引き起こすので、迅速に対応していく」と述べ、政府が発表する情報をもとに冷静に対応するよう呼びかけました。
一方、マレーシアでもSNSで刑務所に収監されていた男が新型のコロナウイルスに感染して死亡したとの情報が出回りましたが、現地の保健相が「虚偽の情報」だという声明を発表するなど、対応に苦慮しています。
台湾でもデマ情報
中国で感染が広がる新型のコロナウイルスをめぐっては、台湾でもSNSなどに誤った情報が出回り、当局が注意を呼びかけています。
台湾では今月21日、1人目の感染者が確認されたあと「北部の病院に感染した患者が入った。ほかの病人はこの病院に一度行ったら外に出られない」などとする内容の音声が出回りました。
これ以外にも「酢がウイルスに効果的で消毒によい」とか、「今回のウイルスは塩水でうがいするとよい」などの情報が拡散しています。
こうした情報に対して地元のNPO団体「台湾ファクトチェックセンター」は、専門家に意見を聞くなどして事実確認を行っていて、いずれの情報も今回のウイルスについては誤っていると判定し、情報を拡散しないよう呼びかけています。
台湾の保健当局もインターネットで流れる真偽不明の情報を信じたり、発信したりしないよう、繰り返し注意を呼びかけていますが、うその情報の拡散が後を絶たない状況です。
台湾では感染症をめぐってデマや誤った情報を拡散し、人々に損害を与えた場合、日本円にして最大で1000万円余りの罰金が科されます。
2020年1月28日 17時59分 NHK