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NYダウ、一時550ドル近く下落 新型肺炎の拡大懸念で
2020年1月27日 23:41
【NQNニューヨーク=川内資子】27日の米株式相場は大幅に5日続落して始まり、ダウ工業株30種平均は取引開始直後に前週末比549ドル26セント安の2万8440ドル47セントを付ける場面があった。新型肺炎の感染拡大が世界経済の足を引っ張るとの懸念が強まり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。中国関連株や旅行・レジャー関連株を中心に幅広い銘柄が売られている。
中国政府は新型肺炎の感染拡大を受けて春節(旧正月)の連休延長を決め、上海市やハイテク企業が集まる蘇州市は企業に休業の延期を通知した。世界各地でも感染が広がっており、新型肺炎が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が一段と強まった。投資家心理が悪化し、日本や欧州株式相場が軒並み大きく下げた。
建機のキャタピラーや化学のダウなど中国売上高の比率が高い銘柄が大きく下げている。空運のアメリカン航空グループやカジノのウィン・リゾーツ、旅行予約サイトのブッキング・ホールディングスの下落も目立つ。
相対的に安全資産とされる米国債が買われ、米長期金利の指標とされる10年物国債利回りが一時1.60%前後と昨年10月以来ほぼ3カ月ぶりの水準に低下。利ざや縮小の見方からJPモルガン・チェースなど金融株が売られている。
恐怖指数と呼ばれ株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は約3割上げ、19台に乗せる場面があった。20を超えると投資家の不安心理が高まった状態とされる。