中国で感染が広がる新型コロナウイルスで、スイス国内でも同ウイルスに感染したと疑われる症例が2件確認された。病院側は「リスクは非常に低い」とコメント。検査結果は遅くとも28日朝までに出る見通し。
スイスはウイルスの拡大を受け、当局への報告規制をすでに強化している。
2人は中国へ旅行後、帰国。現在チューリヒ市内の病院で隔離されている。病院の広報が26日、スイスの通信社Keystone-SDAに語ったところによると、2人は帰国時、ウイルス感染が疑われる症状がみられた。ウイルス感染が疑われる症例が確認されたのは、スイスでは今回が初めて。
チューリヒの2人の患者は、ジュネーブ大学病院の感染病担当部局の専門家が調べている。同病院は新型コロナウイルスの検出試薬キットを開発。過去3週間で、国内全土で10〜100個のサンプルを入手したという。
収容先の病院は、2件の症例の状態は落ち着いており、他の患者や医療スタッフへの感染リスクは現時点でないとしている。
連邦内務省保健局危機管理セクションの責任者パトリック・マティス氏はドイツ語圏の日曜紙ゾンタークス・ブリック紙に対し、医師と研究所はコロナウイルス感染の疑いのある症例を州、連邦当局に2時間以内に報告しなければならない、と説明した。
同氏は、ウイルスの流行がアジア人観光客に人気のスイスにも広がるおそれがあると警告。 「アジアからスイスへの団体旅行を企画する業者とも連絡を取り合っている」とし、空港での検疫は欧州全体で調整する必要があると語った。
だが、リスクをゼロにすることは不可能で、スイスはこのため最悪の状況への備えは十分できていると説明。「コロナウイルスの症例に対応できる、設備の整った大規模な病院がある」と語った。
アラン・ベルセ内務相は、スイスはパンデミック対策への備えができており、流行を防ぐための国際的な取り組みを支援する用意があると語った。
新型コロナウイルスは中国の国境を越えて広がり、世界的な流行の懸念が高まっている。現在、世界中で2千人以上が感染、中国では80人が死亡した。
世界保健機関(WHO)は23日、緊急委員会を開いたが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言は見送った。25日に更新した日報でも、同日時点でのリスク評価は「中国では非常に高い、周辺地域では高い、世界的には低い」とし、これまでと変わらないと発表した。
スイス連邦外務省は26日、在中国のスイス大使館の情報として、湖北省武漢市在住のスイス人は8人いると発表した。半数はすでに退去し、残りは市内にとどまることを希望しているという。大使館は、中国の他地域に住むスイス人とも連絡を取っている。
スイス外務省は、中国国内でスイス人がウイルス感染したとの情報は入っていないとし、今後も動向を注視していくと話している。
2020-01-27 13:56
https://www.swissinfo.ch/jpn/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9_%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%82%82%E6%96%B0%E5%9E%8B%E8%82%BA%E7%82%8E%E3%81%AE%E7%96%91%E3%81%84/45519080
スイスはウイルスの拡大を受け、当局への報告規制をすでに強化している。
2人は中国へ旅行後、帰国。現在チューリヒ市内の病院で隔離されている。病院の広報が26日、スイスの通信社Keystone-SDAに語ったところによると、2人は帰国時、ウイルス感染が疑われる症状がみられた。ウイルス感染が疑われる症例が確認されたのは、スイスでは今回が初めて。
チューリヒの2人の患者は、ジュネーブ大学病院の感染病担当部局の専門家が調べている。同病院は新型コロナウイルスの検出試薬キットを開発。過去3週間で、国内全土で10〜100個のサンプルを入手したという。
収容先の病院は、2件の症例の状態は落ち着いており、他の患者や医療スタッフへの感染リスクは現時点でないとしている。
連邦内務省保健局危機管理セクションの責任者パトリック・マティス氏はドイツ語圏の日曜紙ゾンタークス・ブリック紙に対し、医師と研究所はコロナウイルス感染の疑いのある症例を州、連邦当局に2時間以内に報告しなければならない、と説明した。
同氏は、ウイルスの流行がアジア人観光客に人気のスイスにも広がるおそれがあると警告。 「アジアからスイスへの団体旅行を企画する業者とも連絡を取り合っている」とし、空港での検疫は欧州全体で調整する必要があると語った。
だが、リスクをゼロにすることは不可能で、スイスはこのため最悪の状況への備えは十分できていると説明。「コロナウイルスの症例に対応できる、設備の整った大規模な病院がある」と語った。
アラン・ベルセ内務相は、スイスはパンデミック対策への備えができており、流行を防ぐための国際的な取り組みを支援する用意があると語った。
新型コロナウイルスは中国の国境を越えて広がり、世界的な流行の懸念が高まっている。現在、世界中で2千人以上が感染、中国では80人が死亡した。
世界保健機関(WHO)は23日、緊急委員会を開いたが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言は見送った。25日に更新した日報でも、同日時点でのリスク評価は「中国では非常に高い、周辺地域では高い、世界的には低い」とし、これまでと変わらないと発表した。
スイス連邦外務省は26日、在中国のスイス大使館の情報として、湖北省武漢市在住のスイス人は8人いると発表した。半数はすでに退去し、残りは市内にとどまることを希望しているという。大使館は、中国の他地域に住むスイス人とも連絡を取っている。
スイス外務省は、中国国内でスイス人がウイルス感染したとの情報は入っていないとし、今後も動向を注視していくと話している。
2020-01-27 13:56
https://www.swissinfo.ch/jpn/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9_%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%82%82%E6%96%B0%E5%9E%8B%E8%82%BA%E7%82%8E%E3%81%AE%E7%96%91%E3%81%84/45519080