カワネズミ毛の中の空気吸う?
*ソース元にニュース画像あり*
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20200123/4040004166.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を
詳しい生態が分かっていない「カワネズミ」が、毛の中に蓄えた空気を、
空気ボンベのように吸いながら、長時間、水中で活動しているとみられることが、
公立鳥取環境大学の研究室の調査で分かりました。
カワネズミは、モグラの仲間に近いほ乳動物で、本州や九州の山あいのきれいな渓流などに生息し、
鳥取県などのレッドデータブックでは、準絶滅危惧種に指定されています。
カワネズミは、川に潜り昆虫や魚などを食べて活動していますが、詳しい生態はあまりわかっていません。
こうした中、公立鳥取環境大学環境学部の学部長で、動物行動学が専門の小林朋道教授の研究室では、
カワネズミの生態について大学院生が詳しい調査を行ってきました。
その結果、カワネズミが水中に潜る際、頭など体の表面に気泡ができ、呼吸をするたびに
その気泡が出たり消えたりする現象を、映像や写真で撮影することに成功したということです。
研究室では、カワネズミが毛の中に蓄えた空気を、空気ボンベのように吸うことで、
水中での活動を可能にしているとみていて、最長で1分55秒潜水していることも確認できたということです。
中米に生息する「アーノルトカゲ」も、水中に潜る際に、体の表面に蓄えた空気を吸って
水中で活動する様子が確認されていて、研究室ではカワネズミも似たような仕組みで呼吸していると考えています。
カワネズミは、水中に潜ってえさとなる生き物が寄ってくるのを、待ち伏せる習性があるとみていて、
こうした呼吸方法が捕食行動に役立っていると考えられるということです。
この研究成果は、来月にも鳥取県生物学会が発行する会報誌「山陰自然史研究」に掲載されることになっています。
公立鳥取環境大学の小林朋道教授は「これまでカワネズミは、渓流に生息し夜行性で、
水の中でエサを取るということぐらいはわかっていたが、動物園などでも飼育は難しく、
個体数がどれくらいるかなど、わかっていない生態も多く、研究があまり進んでない」
と話しています。
その上で、小林教授は「今回の研究で、ほ乳動物であるカワネズミが、
体毛に空気をためて水中で呼吸しているとみられる貴重な行動を発見できたことは、
大きな意義があると思う」と話しています。
01/23 12:13