【解説】 ソレイマニ司令官殺害 なぜイスラム国に朗報なのか
7時間前
ジェレミー・ボウエン、BBC中東編集長、バグダッド
過激派勢力「イスラム国(IS)」は、イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊の司令官殺害を歓迎した。
カセム・ソレイマニ将軍が死亡したことについてISは、神がイスラム聖戦(ジハード)戦士を助けたのだと声明を出した。ただし、実際に手を下したアメリカについて、ISは一言も触れなかった。1月3日にバグダッドにいたソレイマニ将軍をドローン攻撃で殺害したのは、アメリカだったのだが。
ソレイマニ将軍を暗殺するというドナルド・トランプ米大統領の決定は、様々な連鎖反応を引き起こした。そのひとつが、ジハードに対する未完の戦争への影響だった。
ほとんどただちに、米軍主導の国際有志連合はイラクで対IS作戦を中断した。アメリカを初め各国軍は、自分たちは今となってはまず何より自衛しなくてはならないと宣言したのだ。
軍事的には、おそらくそれ以外どうしようもなかったのだろう。
バグダッド空港を出るソレイマニ将軍の車両が米軍ドローンに攻撃され、将軍を初めとしてイランとイラクの双方に犠牲者が出た。イランと、イランがここイラクで支援する民兵組織は、復讐を誓っている。
つまり、イラクに駐留する米軍のほか、米軍に協力する西側同盟国の軍は、ただちに標的になるということだ。
これはISにとって大いに朗報で、自分たちのいわゆる「イスラム帝国」が倒された後の失地回復が、これで加速化するだろう。
さらに、イラク議会が駐留米軍の即時退去を求める決議を採択したことも、ISにとっては非常にありがたい展開だ。
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