イラン司令官殺害の根拠「情報は具体性欠く」複数が証言 米紙
2020年1月13日 5時49分米イラン対立
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズはイランのソレイマニ司令官の殺害に至るまでのトランプ政権内の議論について報じ、政権側は「差し迫った脅威」があると判断したものの、複数の当局者が情報は具体性に欠けていたと証言したと伝えました。
11日付けのニューヨーク・タイムズによりますと、ソレイマニ司令官による「差し迫った脅威」についてアメリカのCIA=中央情報局には決定的な情報はなかったものの断片的な情報を集めて分析した結果、レバノンやイラクなどの武装組織と、アメリカ大使館や基地への攻撃を企てていることを示すものだったということです。
CIAのハスペル長官は攻撃計画の証拠があると確信し司令官を殺害しないで待つことのほうが危険だと主張したということで、トランプ政権の高官の間で異論はほとんどなかったとしています。
ただ複数の当局者は「差し迫った脅威」と言うほど具体的な情報はなかったと証言したほか、国防総省の複数の当局者は殺害という最も極端と考えられる選択肢を大統領が選んだことに驚いたということです。
また危機が去った後、議会側が政権側に「差し迫った脅威」の詳細について説明を求めたのに対し、政権側は「機密だ」と拒否したということです。
一方でトランプ大統領はFOXニュースのインタビューに対しては4つのアメリカ大使館がねらわれていたと発言していて、司令官殺害の判断の根拠が焦点となっています。
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