【英雄か?破壊者か?】ソレイマニ司令官とコッズ部隊の全て!ヒズボラもフーシ派もハマスもみんなイランが作り出した…!
2020/01/09
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イランとソレイマニ司令官は中東で何をしてきたのか
コッズ部隊とソレイマニ司令官の影響下にあった中東の主な親イラン民兵組織は、以下の通りだ。
・レバノン=イスラム教シーア派組織ヒズボラ(神の党=写真)
・パレスチナ=対米・イスラエル強硬派組織ハマス
・イラク=シーア派を中心とする民兵組織の集合体「人民動員隊」。及びその傘下にあるバドル軍、カタイブ・ヒズボラ(神の党旅団)などの多数のシーア派民兵組織
・イエメン=フーシ派(シーア派の民兵組織)
これらの組織は、その地域の中央政府に対抗できる強い武力を持ち、「国家内国家」として振る舞ってきた。そして多くの場合、イランの意向に従って動く。ハマスを除けば、いずれもイランの国教と同じイスラム教シーア派の組織だ。
中央政府が弱い地域で、職のない青年らを戦闘員として雇い入れ、一般住民にはイランからの豊富な資金で医療や食料の無料提供などを行うことで、支持を集めてきた。
そしてイランは、これらの組織を使い、中東各地で間接的にイスラエルやサウジアラビア、そして米国と、約40年にわたり武力衝突を繰り返してきた。
前述の通り、イランには米軍などと正面から戦うほどの軍事力はない。
そこで、革命防衛隊とソレイマニ司令官が育成してきた各地の組織を使い、イランの国益のためにゲリラ戦を中心とする代理戦争を行うのが、イランが続けてきた戦略だ。その狙いの中心は、イスラエルと米国を封じ込め、自国の影響力を拡大することにある。
イラン国軍は、隣国イラクの侵攻で始まったイラン・イラク戦争(1980−88年)以降、自国領域外での大規模戦闘には、少なくとも表向き、従事していない。
もちろん米国やイスラエル、サウジアラビアなどイランと敵対する国々も、イランと同様に息の掛かった組織を育成し、イランに対抗している。
各地の代理戦争で、それぞれの地域の市民が犠牲となり続けている。
中東で拡がる分裂
その結果、中東各地で分裂が拡がっている。
パレスチナは、反米・反イスラエル強硬路線のハマスが支配するガザ地区と、パレスチナ自治政府が支配するヨルダン川西岸地区に分裂した状態となっている。
イエメンではフーシ派と、サウジアラビアとアラブ首長国連邦などが支援するイエメン政府軍の内戦が続く。つまり、イランとサウジなどの代理戦争でもある。戦闘で物流網が寸断され、飢餓に苦しむ子供たちが相次いでいる(写真)。
ヒズボラはレバノンで、レバノン国軍を遙かに上回る武力を持ち、政府の意向とは無関係にイスラエル軍との戦闘を繰り返してきた。
ヒズボラはまた、イラン革命防衛隊やロシア軍などとともに、シリア内戦に出兵。アサド政権軍と連携して反体制派武装勢力と戦闘し、アサド政権が支配地域を大幅に回復する一助となった。
シリアの反体制派には、サウジアラビアなどから支援を受ける勢力もあり、各国の代理戦争の現場となっている。
イラクでは、マフディー軍などのシーア派武装民兵組織が、2003年のイラク戦争直後から米軍への攻撃を続けてきた。
2014年の「イスラム国(IS)」による侵攻後、イラク政府はイランの支援を得て民兵組織を「人民動員隊」として統合し、IS掃討作戦にイラク国軍とともに投入した。人民動員隊はイラク版の革命防衛隊のような、国軍と並立する軍事組織となった。
なお、イラクはシーア派が国民の多数を占めており、議会でもシーア派勢力が過半数を占める。今のイラク政府は米国が2003年にイラクに侵攻し、フセイン政権を打倒したのちに米国の支援でつくられた経緯があるものの、イランと近い関係にある。
ソレイマニ司令官は「英雄」だったのか
(リンク先に続きあり)
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