1/5(日) 21:43配信
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、利用者ら19人が殺害され、26人が負傷した事件で、殺人罪などに問われた元同園職員、植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判が8日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で始まる。事件当時の責任能力の有無や程度が最大の争点になる。「障害者は不幸をつくる」という差別的な考えから事件に及んだとされる被告が、被害者の家族らが見つめる法廷でどのように事件と向き合うかも注目される。
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事件後の精神鑑定で被告は自分を特別な存在と思い込む「自己愛性パーソナリティー障害」と診断された。人格障害の一つだが、一般的に物事の善悪を判断して行動をコントロールすることは可能とされ、検察側は完全責任能力があると判断して被告を起訴した。
植松被告は毎日新聞の取材に、障害などがあって意思疎通ができない人は「社会にいるべきではない」と独善的な主張を展開して事件を正当化している。初公判で起訴内容を認める考えを示す一方で、弁護人の主張は「任せている」という。
関係者によると、弁護側は事件当時は薬物の影響から刑事罰に問えない心神喪失状態だったとして無罪を主張するとみられる。事件前に措置入院した際に「大麻精神病」などと診断され、逮捕後の尿鑑定でも大麻の陽性反応が出ていた。
一方、被告は監視の目が緩くなる未明に職員を動けなくするための結束バンドを用意して侵入し、意思疎通が難しいと判断した利用者を狙ったとされる。検察側は薬物の影響について弁護側の主張を否定した上で、被告の説明に一貫性があり、事件が計画的に実行された点などから自らの行動をコントロールできていたと立証していくとみられる。
事件を巡っては神奈川県警が被害者の氏名を公表しない異例の措置をとった。刑事裁判は実名審理が原則とされるものの、今回は法廷でも名前を明らかにしないことが決まった。被害者は負傷の程度などによって甲、乙、丙の3グループに分けられ、「甲A」「乙B」といった呼称がそれぞれに付けられる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200105-00000062-mai-soci
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