伊勢丹新宿本店が1月2日、2020年の初売りを開始した。今年は2015年以来5年ぶりに初売りの日程を3日から2日に変更し、クリアランスセールも同時開催。2日に初売りを開始する周辺商業施設との買い回りをしやすくするなど購買環境の利便性向上に努めたという。
三越伊勢丹ホールディングスでは、2016年から三越日本橋本店を除く首都圏の主要店舗で元日と1月2日を休業日にしていたが、これに対して顧客から「他施設と初売り日程を合わせて欲しい」といった要望があがっていたという。同社の広報担当者は「初売りの日程を前倒して周辺施設と合わせると競争率は上がるが、買い回りの期待ができる」と日程変更についてコメント。2019年の初売りではクリアランスセールを7年ぶりに同時開催し、初の試みとして新春福袋をオンラインで先行販売したことより館内の混雑を比較的回避できたという。今年もオンラインで新春福袋の先行販売を実施したほか、例年混み合うメンズ館2階や本館1階の化粧品フロアを中心にリモデルに伴いブランド間の通路を拡張したことで混雑を回避できると考慮し、同時開催を決めた。
新宿エリアは新宿高島屋や新宿ルミネ、新宿マルイなどが1月2日に初売りを開始。周辺施設との日程被りの影響もあってか、伊勢丹新宿店の入店前の行列は例年と比較して緩やかに列が伸びたものの、開店前には本館とメンズ館で合わせて約1万1600人が列を作り、概ね例年通り。近年は開店時間を20分ほど早めることが多かったが、通常営業通りの10時に開店した。
本館に早朝5時頃から並んだという20代の女性は「ファミリア(ベビー・子ども服のブランド)の商品を狙っている。昨日西武池袋店にも行ったが目当ての商品が売り切れていたのでリベンジする予定」とコメント。新宿高島屋にも買いまわる予定で、「初売り日程の前倒しで他の施設と回りやすくなり、便利だと思う」と話した。メンズ館の入店待ちをしていた60代の男性は「毎年初売りには参加している。今年は大きいサイズの紳士服売り場『スーパーメンズショップ』でスーツを買うつもり」と語った。
開店後は、本館1階で今日から7日まで展開しているイベント「ディオール グロウ ガーデン」に入場待ちの列ができ、「パルファム ジバンシイ(PARFUMS GIVENCHY)」は限定セットが開店後約10分で完売。婦人服は例年通り3階の「トゥモローランド (TOMORROWLAND)」と「サカイ(sacai)」、4階の「シャネル(CHANEL)」、5階の「マリメッコ(Marimekko)」などが賑わった。メンズ館では2階=メンズクリエーターズに出店している「サカイ(sacai)」や「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」に人気が集中した。
昨今商業施設や飲食店、コンビニエンスストアなどで、従業員の働き方改革の観点から元日営業の取り止める企業も多い。来年以降の初売りとクリアランスセールの実施日程について同社の広報担当者は、「今年の商況や従業員からのヒアリングをもとに柔軟に対応していく」と話した。
伊勢丹新宿店本館初売り開始時の入店の様子
1/2(木) 13:51配信
fashionsnap.com
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200102-00010001-fashions-life