勝浦町では昨年、恐竜の化石を多く含む地層(ボーンベッド)が見つかった。約1億2千万年前の地層から化石が見つかる福井県よりも約1千万年さかのぼる国内最古級の地層で、11月から重機を使って本格的な発掘調査を進めていた。
歯の化石は今月9日にボーンベッドの近くにあった岩石の中から見つかった。長さ約4センチ、幅約1・5センチ。ふちに細かな刻みがあり、肉食恐竜が肉を切り裂くのに適した構造が確認できた。サイズが福井県で発見されたフクイラプトル(全長4・2メートル)と同程度だったことから、中型以上の肉食恐竜と考えられるという。県立博物館の辻野泰之学芸員(43)は「これまで福井県などで肉食恐竜の歯の化石が発見されているが、恐竜時代に大陸の沿岸部だった、中央構造線より南側の白亜紀前期の地層から肉食恐竜の歯の化石が見つかるのは珍しい。勝浦町のボーンベッドには多くの化石が含まれている可能性がある」と話している。

朝日新聞デジタル
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