最貧国、栄養失調と肥満も問題 超加工食品などで=英医学誌
2019年12月16日
世界の最貧国の3分の1が、栄養失調だけでなく深刻な肥満の問題を抱えている――。こうした研究報告が16日、英医学誌ランセットに掲載された。
同報告書によると、こうした問題は、カップ麺やスナック菓子、炭酸飲料などの超加工食品が世界中で手に入ることや、運動量の低下が要因という。報告書の筆者は、「現代の食糧システム」の改変を求めている。
最も影響を受けているのは、サハラ砂漠以南のアフリカ地域とアジア地域という。
「栄養不良の二重負荷」
報告書は、地球上の23億人近くの子供と大人が太りすぎで、1億5000万人以上の子供が発育不全だと推定している。
さらに、中低所得国では、「栄養不良の二重負荷」として知られる、栄養失調と肥満の両方の問題に直面している。つまりこうした国々の人口の2割が太りすぎで、4歳以下の子供の3割が適切に成長しておらず、女性の2割が痩せ型に分類されることになる。
報告書によると、1990年代には、123カ国中45カ国で「栄養不良の二重負荷」の影響がみられていたが、2010年代では、126カ国中48カ国で影響が出ている。14の最低所得国では1990年代以降、こうした栄養不良問題が悪化しているという。
食生活の変化と運動不足
報告書の筆者は、この問題に対処するために、各国政府や国連、学者が対策を講じるべきだと指摘。食生活を変えていく必要があるとしている。
人間の飲食習慣や、活動スタイルは変化している。スーパーマーケットの店舗数は増加し、栄養価の低い食物が容易に手に入るようになった。一方で、体を動かすことは少なくなり、より多くの人が太りすぎになる要因になっている。このような変化は、高所得国だけでなく、中低所得国にも影響を与えている。
多くの国では発育不全の子供が減少しつつある。しかし、幼児期に超加工食品を摂取することで発育不全につながるという。
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