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かんぽ生命 保険の不適切販売の疑い1万2000件余 特別調査委
かんぽ生命の保険の不適切な販売問題を調査してきた外部の弁護士による特別調査委員会は18日、調査の報告書を公表しました。
この中で、顧客に不利益を与えた可能性のあるおよそ18万3000件のうち、これまでに14万8000件について顧客からの意向確認が終わり、このうち、法令や社内ルールに違反する疑いのある販売が1万2836件確認されたということです。
そして、今月15日時点で顧客や販売担当者への調査で法令違反が認められた事例は48件、社内ルール違反が認められた事例は622件で、合わせて670件の不正な販売が確認されたとしています。
販売方法に問題ある社員を厚遇
また、今回の問題の直接的な原因として、営業目標の達成のために保険の販売手法に問題がある社員を厚遇してきたため、不適正な募集が黙認される風潮が形成され、不適切な販売手法が各地に広まったことなどを挙げています。
また、不適正な販売を助長した要因として、営業目標の必達主義を背景にした厳しい営業推進管理が行われていたこと、一部の社員に対して達成困難な営業目標が課されていたことなどを挙げました。
そのうえで、不適正な販売を防ぐ態勢の整備が不十分だったことや、日本郵政グループのガバナンス、企業統治の在り方にも問題があったと指摘しています。
特別調査委 再発防止策を提言
かんぽ生命の保険の不適切な販売問題を調査してきた外部の弁護士による特別調査委員会は、再発防止策として、
▽保険の営業の際に顧客に説明する場面を録音や録画して可視化することや、
▽新規契約の獲得に偏った手当てや人事評価の体系を見直すこと、
それに▽不適切な営業を行った社員やその管理者に対して処分を徹底することなどを提言しました。
調査できたのは全体の4割 営業活動再開も困難
かんぽ生命の保険をめぐっては、ことし6月以降、古い契約から新しい契約に移る「乗り換え」の際に、顧客が新たな保険に入れず無保険の状態になったり、新旧両方の保険で保険料を二重に支払ったりといった不適切な販売が多数に上っていることが分かりました。
保険の販売を担う日本郵便は、顧客からの問い合わせ対応を優先させるため、7月半ば以降、保険の営業活動を自粛。
7月24日には問題の原因を調べるため、外部の弁護士による特別調査委員会を設置しました。
そして7月31日、過去5年分の契約について調査を進めた結果、不適切な販売だった可能性のある契約がおよそ18万3000件に上ることを明らかにし、個別に顧客を訪問するなどして詳しく調査することを決めました。
さらにおよそ3000万件の契約すべてを対象に、顧客が意向に沿わず不利益を被ったものがないか検証することにしたほか、過剰だと指摘されていた営業目標、いわゆるノルマを見直すことになりました。
ことし9月に公表された内部調査の中間報告では、顧客に虚偽の説明をするなどの法令違反や、契約内容を適切に説明していないなどの社内ルール違反といった不正が疑われる事例が合わせて6327件確認されました。このうち法令違反が疑われる事例はおよそ1400件でした。
一方、この時点ではおよそ18万3000件のうち、調査ができたのは全体の4割以下にとどまり、速やかな調査を求める声が強まりました。
自粛している営業活動についても、当初は9月からの再開を目指していましたが、問題の拡大を受けてたびたび再開を延期。
現在は来月から段階的に再開させるとしていますが、これも難しい状況になっています。
元郵便局長「目標達成のプレッシャーや企業体質が原因に」
かんぽ生命の保険の販売に携わっていた郵便局の元局長がNHKの電話インタビューに応じ、問題の原因として、営業目標を達成することへのプレッシャーや、営業成績が優秀な社員を優遇するといった企業体質があったのではないかと証言しました。
以下ソース先で
2019年12月18日 15時47分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191218/k10012219361000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_005