今年7月の参議院選挙で"れいわ旋風"を巻き起こした張本人は今、何をしているのか?
新聞、テレビから黙殺されながらも比例特定枠で議員2名を国会に送り出した山本太郎(やまもと・たろう)は前参議院議員となった後、全国を飛び回っていた。
12月13日(金)には、常識破りの選挙戦の舞台裏、そして今後の野望を綴った著書『#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組』(集英社)を上梓した本人を直撃した!
* * *
■落選直後から全国ツアーに出発
自称、「永田町の野良犬」。6年務めた参議院議員時代の特技は「牛歩」戦術。そんな政治家・山本太郎の最新の自称は「変わった生き物」だ。
今年7月、山本が代表を務める「れいわ新選組」(以下、れいわ)は、参議院議員選挙で2議席を獲得した。当選したのは「特定枠」の舩後靖彦(ふなご・やすひこ)と木村英子(きむら・えいこ)。ひとつの政党から重度の身体障害がある国会議員がふたり同時に誕生したのは世界初だろう。
その上、れいわは全国での得票率2%のハードルを越え、日本に9つしかない国政政党のひとつとなった。
「れいわ旋風」に「れいわ現象」――。新聞・テレビなどのマスメディアは躍進を華々しく報じた。しかし、その多くは投票箱が閉じた後になされた「後追い報道」にすぎなかった。れいわは既存メディアに頼らず、自力で支持を拡大して永田町に乗り込むことに成功したのだ。
この参院選で、山本太郎個人に投じられた票は99万2267票にも上る。これは比例代表の全候補者中、最多の数字だ。しかし、れいわは特定枠のふたりを優先して国会に送る戦略を取っていたため、代表の山本自身は落選した。
少数政党の代表で、現在は浪人中。その上、マスメディアの大スポンサーである経済界への批判もためらわない。当然、メディアでの露出機会は減り、今や山本の動向を報じるのは雑誌やネットメディアが中心となっている。
しかし、山本は落選後に何もしていないわけではない。実は落選直後から全国ツアーに出発し、次期総選挙に向けた動きを加速させてきたのだ。
「野党共闘で譲れないのは消費税5%への減税。もし野党がこれに乗れないなら、私たちは次の総選挙で100人の候補を立てて独自に戦う!」
今、山本は全国各地でマイクを握り、集まった聴衆に熱い呼びかけを続けている。
北海道、九州、沖縄、東北、北信越、東海、近畿、関東。全国ツアーで訪れた都市は、間もなく50を超える。そこでは山本自身が商店や民家を一軒一軒回り、れいわのポスターを壁に張らせてもらう交渉を泥くさく続けている。
「元参議院議員の山本太郎と申します。れいわ新選組のポスターを張らせていただけないかとお願いに上がりました」
家主の許可が下りれば、ポスターを張るのも山本自身。断られても、「せめてチラシだけでも」と語りかけてコミュニケーションを取る。
昼間のポスター張りが終われば、夜は屋外での「街頭記者会見」や屋内での「おしゃべり会」を開く。まさに草の根。握手した人の数以上の票は出ないとばかりに、驚異のドブ板活動を展開している。
山本が各地で開く街頭記者会見は、聴衆にマイクを渡し、ガチンコの質問に山本が答えていくスタイルだ。
台本はない。そのため北海道では、高校生がれいわの主張する「消費税ゼロ」を論破しようとマイクを握った。九州では、怒りに任せてマイクを投げつけて立ち去る者がいた。東海では、「やらせじゃないか」と叫ぶ男性がいた。
山本はそうした声が上がるたび、声の主にマイクを渡して主張に耳を傾ける。そして「5万枚は用意している」というスライドの中から瞬時に最適解を探し出し、集まった聴衆も含めて説明を続ける。
「アホ!」「バカ!」「太郎さんにそんなこと言うな!」
2019年12月16日 週プレニュース 続きは↓で
https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2019/12/16/110351/
新聞、テレビから黙殺されながらも比例特定枠で議員2名を国会に送り出した山本太郎(やまもと・たろう)は前参議院議員となった後、全国を飛び回っていた。
12月13日(金)には、常識破りの選挙戦の舞台裏、そして今後の野望を綴った著書『#あなたを幸せにしたいんだ 山本太郎とれいわ新選組』(集英社)を上梓した本人を直撃した!
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■落選直後から全国ツアーに出発
自称、「永田町の野良犬」。6年務めた参議院議員時代の特技は「牛歩」戦術。そんな政治家・山本太郎の最新の自称は「変わった生き物」だ。
今年7月、山本が代表を務める「れいわ新選組」(以下、れいわ)は、参議院議員選挙で2議席を獲得した。当選したのは「特定枠」の舩後靖彦(ふなご・やすひこ)と木村英子(きむら・えいこ)。ひとつの政党から重度の身体障害がある国会議員がふたり同時に誕生したのは世界初だろう。
その上、れいわは全国での得票率2%のハードルを越え、日本に9つしかない国政政党のひとつとなった。
「れいわ旋風」に「れいわ現象」――。新聞・テレビなどのマスメディアは躍進を華々しく報じた。しかし、その多くは投票箱が閉じた後になされた「後追い報道」にすぎなかった。れいわは既存メディアに頼らず、自力で支持を拡大して永田町に乗り込むことに成功したのだ。
この参院選で、山本太郎個人に投じられた票は99万2267票にも上る。これは比例代表の全候補者中、最多の数字だ。しかし、れいわは特定枠のふたりを優先して国会に送る戦略を取っていたため、代表の山本自身は落選した。
少数政党の代表で、現在は浪人中。その上、マスメディアの大スポンサーである経済界への批判もためらわない。当然、メディアでの露出機会は減り、今や山本の動向を報じるのは雑誌やネットメディアが中心となっている。
しかし、山本は落選後に何もしていないわけではない。実は落選直後から全国ツアーに出発し、次期総選挙に向けた動きを加速させてきたのだ。
「野党共闘で譲れないのは消費税5%への減税。もし野党がこれに乗れないなら、私たちは次の総選挙で100人の候補を立てて独自に戦う!」
今、山本は全国各地でマイクを握り、集まった聴衆に熱い呼びかけを続けている。
北海道、九州、沖縄、東北、北信越、東海、近畿、関東。全国ツアーで訪れた都市は、間もなく50を超える。そこでは山本自身が商店や民家を一軒一軒回り、れいわのポスターを壁に張らせてもらう交渉を泥くさく続けている。
「元参議院議員の山本太郎と申します。れいわ新選組のポスターを張らせていただけないかとお願いに上がりました」
家主の許可が下りれば、ポスターを張るのも山本自身。断られても、「せめてチラシだけでも」と語りかけてコミュニケーションを取る。
昼間のポスター張りが終われば、夜は屋外での「街頭記者会見」や屋内での「おしゃべり会」を開く。まさに草の根。握手した人の数以上の票は出ないとばかりに、驚異のドブ板活動を展開している。
山本が各地で開く街頭記者会見は、聴衆にマイクを渡し、ガチンコの質問に山本が答えていくスタイルだ。
台本はない。そのため北海道では、高校生がれいわの主張する「消費税ゼロ」を論破しようとマイクを握った。九州では、怒りに任せてマイクを投げつけて立ち去る者がいた。東海では、「やらせじゃないか」と叫ぶ男性がいた。
山本はそうした声が上がるたび、声の主にマイクを渡して主張に耳を傾ける。そして「5万枚は用意している」というスライドの中から瞬時に最適解を探し出し、集まった聴衆も含めて説明を続ける。
「アホ!」「バカ!」「太郎さんにそんなこと言うな!」
2019年12月16日 週プレニュース 続きは↓で
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