ほうじ茶飲料の販売金額が、10年前から3倍の規模になるほど拡大している。緑茶飲料の中での販売構成比は10%に満たない小さい規模だが、ほうじ茶フレーバーが人気になったことから、メインユーザーの30〜40代女性に加え、若年層で飲用習慣が広がっていることが大きい。
スターバックスで「ほうじ茶 ティーラテ」が人気となるなど、カフェで定番化が進み、今年流行のタピオカドリンク店での採用も広がったほか、菓子では「ブラックサンダー ほうじ茶ラテ」(9月発売)、アイスも「ハーゲンダッツ ジャポネ ほうじ茶きなこ黒蜜」(セブン-イレブン限定、10月29日発売)など、幅広いカテゴリーで商品化されている。
ただ、世代によってほうじ茶が好きな理由は異なるようだ。30〜40代の女性からは、カフェインが少なく、香りが高いことから、仕事中にリラックスできる飲料として支持されている。一方、若年層からはやさしい味わいでゴクゴク飲める止渇系の飲料として受け止められているという。消費者ニーズに応え、年々品揃えを広げている飲料メーカー各社の担当者に、ほうじ茶飲料の市場動向をきいた。
ほうじ茶飲料のトップシェアの「お〜いお茶 ほうじ茶」を販売する伊藤園の担当者は、「ほうじ茶飲料は伸長を続けている。もともとほうじ茶は、歴史的に急須でいれて飲まれていたこともあり、香り立ちの良いホット商品から人気となって通年で飲まれるようになった。市場を牽引しているのは、ジャスミン茶やルイボスティーなど、香りに特徴のあるお茶を好む傾向にある女性のお客様である」。
また、どんな食べ物にも合うことから、「単独で飲んでもすっきり楽しめるが、食事や甘いものにも合うのがほうじ茶の特徴。“お茶=食事に合う”ことは、お茶本来の価値だ」とする。
「お〜いお茶 ほうじ茶」は、通常のほうじ茶飲料が番茶などを使用する中、一番茶を使用して、おいしさや香りを高めたことが支持される理由だとしている。
コカ・コーラシステムの「綾鷹」は、ほうじ茶人気の高まりを受け、今秋からホットでも「綾鷹ほうじ茶」を発売した。さらに、9月にはファミリーマート限定で、ホット専用の「綾鷹 ほうじ茶ラテ」も投入した。
日本コカ・コーラ社の担当者は、「ほうじ茶に、ミルクなどを混ぜたメニューがカフェでも増えた。若い人が、ほうじ茶の味わいに慣れたこともほうじ茶飲料の好調につながっている。2〜3年前と比べ、10〜30代のお客様の構成比が、約3割から一気に約4割まで増加しており、若年層の比率が上がっている。将来的にも成長が見込めるカテゴリーといえる」とする。
同社は、これまでターゲットを中高年世代中心に設定していたが、若年層ユーザーの増加を受けて、より幅広い世代に受け入れられる商品も検討する考えだ。
そして、ほうじ茶飲料で存在感を高めているのがポッカサッポロフード&ビバレッジの「加賀棒ほうじ茶」だ。通常のほうじ茶より香りが高いという「加賀棒ほうじ茶」で差別化し、こだわり派から支持されている。10月25日時点で、昨年より1カ月早く年間販売数量が100万箱を突破した。
同社担当者は、「ほうじ茶ブームにより、各流通チェーンの店舗でほうじ茶飲料のゾーニングが広がっている。今後は、(麦茶や烏龍茶など)他の茶色系のお茶ユーザーからの流入がいっそう見込める。市場拡大はもちろん、国産素材や開発背景の訴求で当社のシェア拡大の余地はある」とした。
今年に入り、新たな動きを見せるのは、サントリー食品インターナショナルの「伊右衛門」だ。焙じ茶シリーズとして新たに季節に合わせた味わいの展開を開始した。すでに「伊右衛門 春ほうじ茶」、「同 冷ほうじ茶」を発売し、9月からは「同 焙じ茶」を発売している。秋に合う味わいとして、焙じ茶葉をベースに、甘香ばしい雁々音(かりがね)茶を加え、深みのある贅沢な味わいにしている。
一方、ブレンド茶でも新しい動きがあった。アサヒ飲料は、「十六茶」から、カフェインゼロの「十六茶ほうじ茶」を9月に発売。同社は、「16種類の素材をブレンドしたからこそできる味わいと健康感は、既存のほうじ茶にはない。十六茶ブランドの強化にもつながると考え開発した」とする。
11/13(水) 14:10
食品産業新聞社ニュースWEB
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191113-00010000-ssnp-bus_all
スターバックスで「ほうじ茶 ティーラテ」が人気となるなど、カフェで定番化が進み、今年流行のタピオカドリンク店での採用も広がったほか、菓子では「ブラックサンダー ほうじ茶ラテ」(9月発売)、アイスも「ハーゲンダッツ ジャポネ ほうじ茶きなこ黒蜜」(セブン-イレブン限定、10月29日発売)など、幅広いカテゴリーで商品化されている。
ただ、世代によってほうじ茶が好きな理由は異なるようだ。30〜40代の女性からは、カフェインが少なく、香りが高いことから、仕事中にリラックスできる飲料として支持されている。一方、若年層からはやさしい味わいでゴクゴク飲める止渇系の飲料として受け止められているという。消費者ニーズに応え、年々品揃えを広げている飲料メーカー各社の担当者に、ほうじ茶飲料の市場動向をきいた。
ほうじ茶飲料のトップシェアの「お〜いお茶 ほうじ茶」を販売する伊藤園の担当者は、「ほうじ茶飲料は伸長を続けている。もともとほうじ茶は、歴史的に急須でいれて飲まれていたこともあり、香り立ちの良いホット商品から人気となって通年で飲まれるようになった。市場を牽引しているのは、ジャスミン茶やルイボスティーなど、香りに特徴のあるお茶を好む傾向にある女性のお客様である」。
また、どんな食べ物にも合うことから、「単独で飲んでもすっきり楽しめるが、食事や甘いものにも合うのがほうじ茶の特徴。“お茶=食事に合う”ことは、お茶本来の価値だ」とする。
「お〜いお茶 ほうじ茶」は、通常のほうじ茶飲料が番茶などを使用する中、一番茶を使用して、おいしさや香りを高めたことが支持される理由だとしている。
コカ・コーラシステムの「綾鷹」は、ほうじ茶人気の高まりを受け、今秋からホットでも「綾鷹ほうじ茶」を発売した。さらに、9月にはファミリーマート限定で、ホット専用の「綾鷹 ほうじ茶ラテ」も投入した。
日本コカ・コーラ社の担当者は、「ほうじ茶に、ミルクなどを混ぜたメニューがカフェでも増えた。若い人が、ほうじ茶の味わいに慣れたこともほうじ茶飲料の好調につながっている。2〜3年前と比べ、10〜30代のお客様の構成比が、約3割から一気に約4割まで増加しており、若年層の比率が上がっている。将来的にも成長が見込めるカテゴリーといえる」とする。
同社は、これまでターゲットを中高年世代中心に設定していたが、若年層ユーザーの増加を受けて、より幅広い世代に受け入れられる商品も検討する考えだ。
そして、ほうじ茶飲料で存在感を高めているのがポッカサッポロフード&ビバレッジの「加賀棒ほうじ茶」だ。通常のほうじ茶より香りが高いという「加賀棒ほうじ茶」で差別化し、こだわり派から支持されている。10月25日時点で、昨年より1カ月早く年間販売数量が100万箱を突破した。
同社担当者は、「ほうじ茶ブームにより、各流通チェーンの店舗でほうじ茶飲料のゾーニングが広がっている。今後は、(麦茶や烏龍茶など)他の茶色系のお茶ユーザーからの流入がいっそう見込める。市場拡大はもちろん、国産素材や開発背景の訴求で当社のシェア拡大の余地はある」とした。
今年に入り、新たな動きを見せるのは、サントリー食品インターナショナルの「伊右衛門」だ。焙じ茶シリーズとして新たに季節に合わせた味わいの展開を開始した。すでに「伊右衛門 春ほうじ茶」、「同 冷ほうじ茶」を発売し、9月からは「同 焙じ茶」を発売している。秋に合う味わいとして、焙じ茶葉をベースに、甘香ばしい雁々音(かりがね)茶を加え、深みのある贅沢な味わいにしている。
一方、ブレンド茶でも新しい動きがあった。アサヒ飲料は、「十六茶」から、カフェインゼロの「十六茶ほうじ茶」を9月に発売。同社は、「16種類の素材をブレンドしたからこそできる味わいと健康感は、既存のほうじ茶にはない。十六茶ブランドの強化にもつながると考え開発した」とする。
11/13(水) 14:10
食品産業新聞社ニュースWEB
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191113-00010000-ssnp-bus_all