https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191106/k10012165521000.html
英議会下院6日解散 来月総選挙へ EU離脱の是非が最大の争点
2019年11月6日 6時02分英 EU離脱
イギリスでは6日、議会下院が解散され、EU=ヨーロッパ連合からの離脱の是非を最大の争点に、来月12日の総選挙に向けた各党の選挙活動が本格化します。
EUからの離脱をめぐり政治の混乱が続くイギリスでは、事態の打開を目指すジョンソン首相の提案で、来月12日に総選挙を前倒しで行うための法律が成立しました。
これを受けて議会下院は6日に解散し、今後各党の選挙運動が本格化します。
ジョンソン首相が率いる与党保守党は、選挙で過半数を確保することで、EUとの間で新たに合意した離脱の条件について速やかに議会の承認を得て、来年1月末の期限までに離脱を実現したい考えです。
一方、最大野党の労働党は政権交代を実現したうえで、離脱条件についてEUと再度交渉し、その合意をもとに国民投票を行うとしていますが、EUから離脱すべきかどうかについては態度を明らかにしていません。
またスコットランド民族党や自由民主党は残留を主張しているほか、「合意なき離脱」を主張する離脱党の動向も注目されています。
大手調査会社の「YouGov」の最新の世論調査では、保守党が労働党を12ポイントリードしています。
ただ、おととしの総選挙では選挙戦の序盤で保守党が圧倒的に優位だったにもかかわらず、結局過半数割れに追い込まれています。
離脱をめぐって世論が大きく分かれているだけに、5週間にわたる選挙戦がどのように展開していくのか、予断を許さない情勢です。
各党の支持率
総選挙でどの政党に投票するか、大手調査会社の「YouGov」が先月31日から今月1日にかけて行った世論調査によりますと、ジョンソン首相が率いる与党保守党の支持率が39%、最大野党の労働党が27%、自由民主党が16%、それに離脱党が7%となっています。
専門家「結果次第で混乱続く」
イギリス政治が専門で、ロンドン大学クイーンメアリー校のティム・ベール教授は、今回の選挙は国際社会におけるイギリスの立場を新たに方向付ける歴史的な選挙だとしたうえで、「ジョンソン首相としては、EU=ヨーロッパ連合からの離脱を実現する前に総選挙を行うのは大きな賭けだ」と述べました。
そして最新の世論調査で保守党がリードしていることを踏まえ、「与党が過半数を確保する可能性が最も高いとは思う」としたうえで、最大野党の労働党は経済や医療保険制度など市民に身近な問題を訴える戦略だと指摘し、「有権者の関心は簡単に変わる。結局選挙前と何も変わらず、どの政党も単独で過半数の議席を獲得できない状況も十分ありうる」という見方を示しました。
また、EUからの離脱については、「保守党が過半数を獲得すれば、ジョンソン首相がEUと新たに合意した内容で離脱することになる。どの政党も単独で過半数の議席を獲得できなければ、今後は分からなくなる。労働党がほかの野党と協力して連立政権を実現させれば、EUと交渉したうえで離脱の是非を問う国民投票を再び行うことになるだろう」と述べ、選挙の結果次第では、今後も混乱が続く可能性があると指摘しました。
英議会下院6日解散 来月総選挙へ EU離脱の是非が最大の争点
2019年11月6日 6時02分英 EU離脱
イギリスでは6日、議会下院が解散され、EU=ヨーロッパ連合からの離脱の是非を最大の争点に、来月12日の総選挙に向けた各党の選挙活動が本格化します。
EUからの離脱をめぐり政治の混乱が続くイギリスでは、事態の打開を目指すジョンソン首相の提案で、来月12日に総選挙を前倒しで行うための法律が成立しました。
これを受けて議会下院は6日に解散し、今後各党の選挙運動が本格化します。
ジョンソン首相が率いる与党保守党は、選挙で過半数を確保することで、EUとの間で新たに合意した離脱の条件について速やかに議会の承認を得て、来年1月末の期限までに離脱を実現したい考えです。
一方、最大野党の労働党は政権交代を実現したうえで、離脱条件についてEUと再度交渉し、その合意をもとに国民投票を行うとしていますが、EUから離脱すべきかどうかについては態度を明らかにしていません。
またスコットランド民族党や自由民主党は残留を主張しているほか、「合意なき離脱」を主張する離脱党の動向も注目されています。
大手調査会社の「YouGov」の最新の世論調査では、保守党が労働党を12ポイントリードしています。
ただ、おととしの総選挙では選挙戦の序盤で保守党が圧倒的に優位だったにもかかわらず、結局過半数割れに追い込まれています。
離脱をめぐって世論が大きく分かれているだけに、5週間にわたる選挙戦がどのように展開していくのか、予断を許さない情勢です。
各党の支持率
総選挙でどの政党に投票するか、大手調査会社の「YouGov」が先月31日から今月1日にかけて行った世論調査によりますと、ジョンソン首相が率いる与党保守党の支持率が39%、最大野党の労働党が27%、自由民主党が16%、それに離脱党が7%となっています。
専門家「結果次第で混乱続く」
イギリス政治が専門で、ロンドン大学クイーンメアリー校のティム・ベール教授は、今回の選挙は国際社会におけるイギリスの立場を新たに方向付ける歴史的な選挙だとしたうえで、「ジョンソン首相としては、EU=ヨーロッパ連合からの離脱を実現する前に総選挙を行うのは大きな賭けだ」と述べました。
そして最新の世論調査で保守党がリードしていることを踏まえ、「与党が過半数を確保する可能性が最も高いとは思う」としたうえで、最大野党の労働党は経済や医療保険制度など市民に身近な問題を訴える戦略だと指摘し、「有権者の関心は簡単に変わる。結局選挙前と何も変わらず、どの政党も単独で過半数の議席を獲得できない状況も十分ありうる」という見方を示しました。
また、EUからの離脱については、「保守党が過半数を獲得すれば、ジョンソン首相がEUと新たに合意した内容で離脱することになる。どの政党も単独で過半数の議席を獲得できなければ、今後は分からなくなる。労働党がほかの野党と協力して連立政権を実現させれば、EUと交渉したうえで離脱の是非を問う国民投票を再び行うことになるだろう」と述べ、選挙の結果次第では、今後も混乱が続く可能性があると指摘しました。