妻子殺害、元夫に無期懲役=一審無罪、裁判員やり直し−さいたま地裁
埼玉県志木市で2008年、自宅に放火し妻子を殺害したとして、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた山野輝之被告(45)の差し戻し審の裁判員裁判判決が31日、さいたま地裁であり、北村和裁判長は求刑通り無期懲役を言い渡した。
無罪とした一審同地裁判決を東京高裁が破棄していた。
検察側は差し戻し審で、不倫相手との再婚を望んだ被告が、再婚の妨げとなる妻と子を殺害したと主張。
被告は「私はやっておりません」と起訴内容を否認し、弁護側は、精神疾患を患っていた妻が放火した可能性があるとして無罪を主張していた。
一審さいたま地裁は15年3月、「被告以外の犯行の可能性を否定できない」とし無罪と判断。
16年7月の東京高裁判決は一審が無罪の根拠とした自宅の燃焼実験について、「刑事裁判の基礎にできるような再現性があるとは認められない」として破棄、審理を差し戻した。
被告側は上告したが、最高裁が17年2月に棄却していた。
山野被告は08年12月、自宅に放火し、妻奈穂子さん=当時(33)=と、長女の真弥ちゃん=同(12)=を一酸化炭素中毒で死亡させたとして、13年に逮捕、起訴された。
時事通信 2019年10月31日15時22分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019103100989