京都府内唯一の夜間中学、入学要件緩和へ 市内への通勤者も認める
10/25(金) 12:08配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191025-00000548-san-soci
京都府内唯一の夜間中学である京都市立洛友(らくゆう)中学校夜間部(同市下京区)について、京都市教委が入学要件を緩和する方針を決めたことが分かった。現在、市内在住者に限っている通学範囲を、早ければ来年度から府内在住で市内に通勤する人にも拡大する。
夜間中学は、戦争や貧困などで義務教育を受けられなかったり、不登校などで形式的に中学校を卒業したりした人たちが通う。同校では、日本人をはじめ韓国籍や中国籍などの生徒24人が学んでおり、年齢層も10代から70代まで幅広い。
市教委生徒指導課によると、これまでも市外在住者から入学が可能か問い合わせがあり、ニーズに対応するため門戸を広げることにしたという。担当者は「今後、府教委と相談の上で実施時期を決めたい」と話している。
夜間中学をめぐっては、平成28年に教育機会確保法が成立。義務教育を十分に受けられなかった人たちの教育機会の提供を自治体に義務づけており、文部科学省は各都道府県、政令市に最低1校以上の夜間中学設置を促している。
夜間中学は現在、9都府県に33校が設置され、近畿には京都、大阪、兵庫、奈良の4府県に計18校ある。入学要件は自治体によって異なるが、同法の成立などを受けて要件緩和の動きが広まっている。
11校の夜間中学がある大阪府では今年度から府外在住者でも個別ケースで入学が認められるようになり、府教育庁によると、兵庫県や奈良県から計7人が大阪市、豊中市、東大阪市の夜間中学に入学しているという。また、神戸市内の2校も今年度から入学対象を、市内在住者だけでなく在勤者にまで拡大した。