→政治の二極化が1930年代に似る、来年の米大統領選は重要な意味持つ
ヘッジファンド運用で世界最大手の米ブリッジウォーター・アソシエイツを創業したレイ・ダリオ氏は17日、世界経済は政治が二極化し1930年代を連想させる「大停滞(great sag)」局面に入っているが、典型的なサイクル終了時の崩壊に向かっているわけではないと述べた。
国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会に合わせてワシントンで開かれたCNBC主催のパネル討論会に参加したダリオ氏は、世界の債務水準や来年の米大統領選挙などの議論に加わり、マネーがあふれる世界経済に「大きく特異なことが起きつつある」と語った。
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利下げや減税などの刺激効果は衰えつつあると指摘。その上で「サイクル終了時に古典的クラッシュを引き起こすような状況にはない」との認識を示した。
長期の債務償還規模は大きく膨らみ、年金やヘルスケア関連などで「多くの支払い義務が生じ、負担になる」と主張。これらを背景に「現サイクルは消えつつあり、私に言わせれば大停滞とも呼ぶべき世界にわれわれは入った」と論じた。
ダリオ氏は政治の二極化が来年の米大統領選を市場と米経済にとって極めて重要なものにしているとし、「資本主義か社会主義かという問い掛けになる可能性が高く」、法人税に大きな影響を及ぼすだろうと予想。「米国と世界中で見られるのは、左派ポピュリズムと右派ポピュリズムの高まりに伴う対立拡大で、30年代にとてもよく似ている」と述べた。
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-18/PZJPW9T1UM0Z01