久慈市夏井町にある柾木和公さん(67)の養鶏場は一面が冠水し、3万4650羽のうち約2万9300羽が被害に遭った。
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13日午前0時ごろから雨脚が激しくなり、事務所は床上60センチまで浸水。養鶏場も6棟のうち5棟が浸水し、午前3時ごろにはほとんどのニワトリが死んでいたという。
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ブロイラーは通常49日齢で出荷するが、死んだニワトリは43〜45日齢だった。「餌を与えて育て切った状態。一番痛いタイミング」と柾木さん。損害額は1500万円とみられる。
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ニワトリの死骸は業者が引き取り、契約先から駆け付けた応援の30人が重機で養鶏場の後片付けに追われた。
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柾木さんは「牛や馬1頭だったら連れて逃げることもできるが、これだけ多くのニワトリを運ぶことはできない。自然災害は防ぎようがない」と嘆く一方、「育てなければお金は入ってこない。来月には再開したい」と気持ちを入れ替えた。
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県によると、岩手の2017年のブロイラー産出額は792億円で鹿児島、宮崎に次いで全国3位。今年は夏の猛暑で既に約2万6000羽が死んでおり、台風が被害に追い打ちをかける格好となった。
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県農林水産企画室は「岩手の主要産業であり、影響は大きい。今後、被害が拡大する可能性もある。調査を急ぎたい」としている。
10/18(金) 15:26
河北新報
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