記録書き換え、職員の半数以上関与
佐渡「待鶴荘」の不正請求問題
新潟県佐渡市が運営する介護保険事業所「市特定施設待鶴(たいかく)荘」の介護報酬不正請求問題について、検証委員会は24日、原因と再発防止策をまとめた調査報告書を公表した。10年以上、無資格者らが有資格者の名のゴム印などを使って記録の書き換えを続け、関与した職員は調査対象の半数以上に上ると判明。順法意識の欠如や組織の統治不全が原因と指摘した。
検証委は委員長の藤木則夫副市長をはじめ、市職員や司法書士ら有識者の計10人で7月に設置。市による聞き取り調査の結果などを基に話し合ってきた。
報告書によると、不正は施設開設直後の2006年11月に始まった。当時の施設次長の「もっと収入が上がるはずだ」との発言を発端に、介護員2人と養護係長で相談し、訪問介護サービスの提供記録を書き換える仕組みを考えた。
07年度には筆跡照合による発覚を防ぐため、ゴム印を使用開始。書き換えの会話が日常的に行われ、その後に配属された職員も「慣例」と捉えていたという。
退職者や一部の臨時職員を含む55人への聞き取り調査では、29人が書き換えに関与し、不正と認識して行っていたのは13人だった。18年まで、4人の職員が会議の発言や施設長への提案などで是正を求めたが、「全く対応されなかった」。
不正に関して、国県や利用者らへの返還額は約1300万円に上る。市は関係者の減給処分や、退職者に対する相当額の自主返納の要請などを行う方針。市総務課は「虚偽公文書作成などの罪に当たるかを含め、刑事告発の可否も検討する」としている。
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20190925497159.html
2019/09/25 11:02 新潟日報モア
佐渡「待鶴荘」の不正請求問題
新潟県佐渡市が運営する介護保険事業所「市特定施設待鶴(たいかく)荘」の介護報酬不正請求問題について、検証委員会は24日、原因と再発防止策をまとめた調査報告書を公表した。10年以上、無資格者らが有資格者の名のゴム印などを使って記録の書き換えを続け、関与した職員は調査対象の半数以上に上ると判明。順法意識の欠如や組織の統治不全が原因と指摘した。
検証委は委員長の藤木則夫副市長をはじめ、市職員や司法書士ら有識者の計10人で7月に設置。市による聞き取り調査の結果などを基に話し合ってきた。
報告書によると、不正は施設開設直後の2006年11月に始まった。当時の施設次長の「もっと収入が上がるはずだ」との発言を発端に、介護員2人と養護係長で相談し、訪問介護サービスの提供記録を書き換える仕組みを考えた。
07年度には筆跡照合による発覚を防ぐため、ゴム印を使用開始。書き換えの会話が日常的に行われ、その後に配属された職員も「慣例」と捉えていたという。
退職者や一部の臨時職員を含む55人への聞き取り調査では、29人が書き換えに関与し、不正と認識して行っていたのは13人だった。18年まで、4人の職員が会議の発言や施設長への提案などで是正を求めたが、「全く対応されなかった」。
不正に関して、国県や利用者らへの返還額は約1300万円に上る。市は関係者の減給処分や、退職者に対する相当額の自主返納の要請などを行う方針。市総務課は「虚偽公文書作成などの罪に当たるかを含め、刑事告発の可否も検討する」としている。
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20190925497159.html
2019/09/25 11:02 新潟日報モア