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日米、首の皮一枚の自由貿易 対象絞った「ミニ合意」
本社コメンテーター 菅野幹雄
2019年9月26日 11:20 [有料会員限定]
安倍晋三首相とトランプ米大統領が合意した日米貿易協定は、意外にも2国間の取引(ディール)を振り回すトランプ流の通商政策が成果を表す最初の例になる。対象を絞る「ミニ合意」は功を急ぐトランプ政権への格好の助け舟だが、多国間の枠組みに基づく世界貿易ルールを傷つけるリスクもある。首の皮一枚の自由貿易体制をどう守るかが、日本の宿題だ。
「署名式」はまるでトランプ大統領の選挙向けPRの場だった。対日関税が下がり、カナダや欧州連合(EU)への劣勢が解消する。米国が環太平洋経済連携協定(TPP)を一方的に離脱して始まった苦境を脱出できる米農家は、日米首脳への謝意を相次ぎ口にした。
「米国の農家にとっての勝利だ」(トランプ大統領)
「ウィンウィンの合意だ」(安倍首相)
両首脳の自画自賛とは裏腹に、日米が到達したのは限定的な「ミニ合意」だ。
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