西南極の氷融解と世界の沿岸地域への影響、専門家が解説
2019年9月24日 13:09 発信地:モナコ/モナコ
【9月24日 AFP】世界の沿岸地域とそこに住む何億もの人の運命は、西南極(West Antarctica)の氷の融解が今後どうなるかにかかっている。西南極の氷の融解が今のままの速度で進めば、世界の海面は少なくとも3メートル上昇すると考えられているためだ。
複数の科学的根拠によると、これは「もし」という問題ではなく「いつ」という問題になっている。
国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は近日中に、「海洋・雪氷圏に関するIPCC特別報告書」を公開する予定だ。それに先立ち、南極研究の第一人者である独ポツダム気候影響研究所(PIK)のアンダース・リーバーマン(Anders Levermann)氏がAFPの取材に対し、気候変動が世界で最も寒い地域に及ぼす影響について説明した。
(以下、抜粋)
Q:地球温暖化はグリーンランドと南極に同じような影響を与えるか。
A:そうはならない。南極の氷の損失の99パーセントは海に氷が落ちることにより発生している。寒すぎるため、表面の氷の融解は実質的に起こらない。
Q:南極について10年前に判明していなかった事実はあるか。
A:10年前の南極モデルでは、今世紀中の氷の消失はそれほど甚大ではないとされていた。実際、南極の氷が増える可能性についての議論さえ存在した。
Q:南極は2100年までの海面上昇にどれくらい寄与するのか。
A:2014年に私が同僚らと行った研究では、2100年までに南極の氷融解により海面が50センチ上昇する可能性があると推定している。これは大きな数字だ。また、IPCCは16センチまで上昇すると最新の評価で見積もっている。
Q:2100年に何が起こるのか。
A:2100年になると、氷融解を止める手段は無くなる。
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https://www.afpbb.com/articles/-/3245935
南極マクマード海峡の氷山。米航空宇宙局(NASA)提供(2017年12月20日提供、2017年11月29日撮影)