2019年9月4日19時44分
東北大大学院で、農学研究科の入試問題が事前に漏れていた疑いがあり、大学側は再試験をしたうえで4日、合格者を発表した。問題は同研究科内で作成されており、東北大は教員や学生から聞き取り調査を進めている。
東北大によると、漏洩(ろうえい)が疑われているのは、8月20、21日にあった農学研究科・生物産業創成科学専攻の博士前期課程の入試で出た問題のうち、選択科目の「食品化学」の問題。8月上旬に学生から漏洩の指摘があり、大学側が試験前に確認したところ、3問のうち2問が指摘通りの内容だった。急きょこの2問を差し替え、試験は予定通り行った。生物産業創成科学専攻の定員は38人で、東北大や他大学の学生53人が受験した。
ところが、試験直後に同じ学生から「残りの1問も漏れていた」との指摘があった。大学側は3問すべてが漏れていた可能性があるとして、9月2、3日に再試験を行った。再試験は「食品化学」を選んだ16人全員が受け、4日に合格発表があった。
東北大広報室は「受験生に多大な迷惑をかけて申し訳ない。現在、聞き取り調査を行っており、早急に結果を発表したい」と話している。(石川雅彦)https://www.asahi.com/sp/articles/ASM944VWPM94UNHB00F.html