キリンホールディングスとファンケルは8月6日、資本業務提携を行うと発表した。
キリングループは今年2月「食から医にわたる領域で価値を創造し世界のCSV先進企業となる」ことを目指して、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を発表。食領域と医領域の中間にあたる「医と食をつなぐ事業」を立ち上げ、次世代の成長の柱として育成していく方針を打ち出した。
また、ファンケルは日本の健康寿命が伸び悩む中、確かな機能を持つ健康食品を提供することで、健康寿命の延伸と医療費の削減に貢献している。
両社は「健康」に関する考え方が一致しており、相互の強みを生かすことで、素材の研究開発、生産、マーケティング、販売などバリューチェーン全体をより強固にし、事業開発のスピードを加速できると考え、提携によるシナジー効果を発揮していく。
具体的には、両社のブランド、技術を生かした新発想の商品、ブランドを開発。生活習慣病、脳機能、フレイル、リハビリ対策などの共同研究を進める。
酵母・発酵技術を生かした化粧品の共同開発、生産面での協業、キリンの自販機チャネル、ファンケルの直販チャネルの活用などに取り組む。
資本面では、キリンは、ファンケル創業者池森賢二氏ほか5人、池森氏らの資産管理会社との間で、各当事者から、それぞれ個別にファンケルの発行済株式を市場外の相対取引を通じて9月6日に譲り受ける。
この譲渡によるキリンの取得株式数は、3954万400株で株式の取得総額は1293億円。キリンの所有割合は30.3%、議決権割合は33.0%となる。
キリンの2018年12月期売上高1兆2009億2000万円、営業利益1983億2200万円。ファンケルの2019年3月期売上高は1224億9600万円、営業利益123億8700万円だった。
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