夕闇に浮かび上がるミナト神戸の象徴・神戸ポートタワーを、神戸の目抜き通り神戸元町商店街の間から見通せる道がある。「神戸都心夜景10選」にも選定されているその景観が、建設中のマンションによって遮られる事態となっている。現在、商店街からタワーはほぼ見えない。建設に法律や条例上の問題はないが、撮影スポットとして売り出していた商店主らは落胆の色を隠せないでいる。
この道は商店街4丁目のほぼ中央とタワーがあるベイエリアを南北に貫く。買い物を楽しんでいると不意に眼前に現れる赤いタワーは昼も迫力があるが、夜景はことに美しい。2011年度に神戸市が市民公募を基に選んだ「10選」にも神戸ハーバーランド・高浜岸壁や南京町・西安門前などとともに入り、「知る人ぞ知る絶景」と解説された。
ところが昨夏、元あった低いビルから15階建てマンション(高さ43メートル)への建て替えが始まった。工事が進むにつれて商店街からの眺めではタワーは隠れ、マンション前でも全体は見えなくなった。
商店街の関係者は嘆く。元町商店街や自治会で組織する「みなと元町タウン協議会」に昨年8、9月、建設業者が説明に訪れたが、景観の話は出なかった。「タワーが見えなくなるとは想像もせず、こちらも質問しなかった」と岩田照彦事務局長。商店街のガイドブックにも撮影スポットとして掲載しており「仕方ないが残念」と肩を落とした。
同商店街4丁目振興組合は2年ほど前、この道に接するアーケードに、ポートタワーのビューポイントだと示す英語看板を取り付けたばかり。「写真を撮る人は前から多く、これからも観光ポイントとしてアピールしたかったのに」と、同組合理事長の田渕秀樹さん(62)も落ち込む。
建築主である大阪府の建設業者によると、足場やシートを取り除けば建物は西側に最大1メートル程度引っ込むが「タワーは見えにくくなるか、見えなくなるかもしれない。完成しないと分からない」という。完成は来年2月を予定している。
「10選」事業を運営する市景観政策課は「工事が終わった段階で判断することになるが、10選から外さざるを得ないかもしれない」としている。(上杉順子)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201908/sp/0012589488.shtml
この道は商店街4丁目のほぼ中央とタワーがあるベイエリアを南北に貫く。買い物を楽しんでいると不意に眼前に現れる赤いタワーは昼も迫力があるが、夜景はことに美しい。2011年度に神戸市が市民公募を基に選んだ「10選」にも神戸ハーバーランド・高浜岸壁や南京町・西安門前などとともに入り、「知る人ぞ知る絶景」と解説された。
ところが昨夏、元あった低いビルから15階建てマンション(高さ43メートル)への建て替えが始まった。工事が進むにつれて商店街からの眺めではタワーは隠れ、マンション前でも全体は見えなくなった。
商店街の関係者は嘆く。元町商店街や自治会で組織する「みなと元町タウン協議会」に昨年8、9月、建設業者が説明に訪れたが、景観の話は出なかった。「タワーが見えなくなるとは想像もせず、こちらも質問しなかった」と岩田照彦事務局長。商店街のガイドブックにも撮影スポットとして掲載しており「仕方ないが残念」と肩を落とした。
同商店街4丁目振興組合は2年ほど前、この道に接するアーケードに、ポートタワーのビューポイントだと示す英語看板を取り付けたばかり。「写真を撮る人は前から多く、これからも観光ポイントとしてアピールしたかったのに」と、同組合理事長の田渕秀樹さん(62)も落ち込む。
建築主である大阪府の建設業者によると、足場やシートを取り除けば建物は西側に最大1メートル程度引っ込むが「タワーは見えにくくなるか、見えなくなるかもしれない。完成しないと分からない」という。完成は来年2月を予定している。
「10選」事業を運営する市景観政策課は「工事が終わった段階で判断することになるが、10選から外さざるを得ないかもしれない」としている。(上杉順子)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201908/sp/0012589488.shtml