https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190710-00000091-reut-bus_all
欧州会計検査院は10日、欧州銀行監督機構(EBA)が昨年実施した銀行ストレステスト(健全性審査)について、
システミックリスクが適切に反映されておらず、審査が甘すぎたとの報告書をまとめた。
EBAは昨年、48行を対象にストレステストを実施。大幅な資本不足を指摘された銀行はなかった。
EBAは、会計検査院の指摘について、リスク判断の手法に問題はなかったが、今後のストレステストについて対象行の選定方法を見直すと表明した。
次回のストレステストは来年に予定されている。
会計検査院は、昨年のストレステストでは、2008年の金融危機よりも軽微な危機が想定されていたと指摘。
景気が悪化していた国に対する審査も甘かったと主張している。
会計検査院によると、2011年の初回のストレステストでは90行が対象となったが、昨年のストレステストの対象行は半分近くに削減され、
体力の弱い一部の銀行が審査対象から外されていた。
審査対象となったのは欧州連合(EU)28カ国中15国の銀行のみだったという。
昨年のストレステストが実施された当時、EBAの議長はイタリアのアンドレア・エンリア氏が務めていた。
報告書を受け、EBAは審査地域を再検討すると表明。
規模ではなくリスクに基づいて審査対象の銀行を選定するという会計検査院の勧告を一部受け入れる方針を示した。
会計検査院は、システミックリスクの範囲を拡大するよう勧告したが、
EBAは「すべてのシステミックリスクをカバーすることはできないが、最も重要なリスクを重視する」との意向を示した。